我食べる、故に我あり ～ 中国の故事 （嘘）

交詢ビルの横の道を歩いていて、ふとした気の迷いからレストランあづまに入ってしまった。
洋食屋だ。

以前にも２、３度来たことがあるが、さほど美味しかった印象はない。
そうそう、オムライスに１品サイドメニューが選べるのがこの店の特徴だった。
今日は、チキンカツを付けてみた。

料理が出てくるまでにだいぶ待たされた。
その間、出てきた水を一口飲んで、首をひねった。
何かの風味が付いているのだが、どう考えてもその風味が成功しているようには思えない。
他の客を見渡しても、ほとんど減っていないコップが並んでいた。

しばらくして、料理が出てきて食べ始めたのだが、やはり美味しくない。
変な味がするとまでは言わないが、美味しいとは思えないのだ。
やれやれ。
早いとこ片づけて職場に戻ろう。

その時だ。
後からやってきた男女二人組の片割れが、コップの水を飲み干してお替りを求めた。
この水をもう１杯飲もうというのか？

次に、連れの女が料理を口に運んで言った。
「わぁ、これ美味しい！」

男が満足げに答える。
「銀座はさ、有名な老舗の洋食屋がいくつかあるけど、この店は穴場なんだ」

マジですか？
蓼食う虫も好き好き。
この二人、私とはかなり味の好みが違うようだ。


満腹？