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空想世界と少しの現実

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緋褪色

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「白雅さん!トータル舞台照明さんからお電話ですっ!!」鳳梨の声に「あん?ちょっと待て、今出るから保留にしておいて!」返事を返す。踏んでいたロックミシンを止めて、イスから立ち上がり、デスク横に置かれた電話の受話器を取った。「はい、お電話変わりました。寺崎です!はい。はい・・・えっ?あのっ?ええっ?それってどういうことですか?いや、うちとしては、そちらに全てお任せしていたので、突然そのように仰られてもっ!!いえ、そういった問題ではなく、・・・それはうちとしても本当に困りますっ!!あのっ?担当の方はいらっしゃらないんですか??えっ?異動??すみませんっ!!後任で、話を引き継いでいる方はいらっしゃいませんか??あっ!!ちょっとっ!!」

「馬っ鹿やろうっ!!なんなんだっいったい!!」一方的に捲し立てる内容に腹を立てて、ガシャン!!と受話器を乱暴に叩きつけたっ!!大きな声と音に反応して、皆が一斉に俺に視線を注ぐ!「どうしたんです?白雅さん?顔、真っ青ですよ?」「トータル舞台照明が、今回のショーを降りたいって言ってきた・・・今までずっと付き合ってきたのに、こんな事って・・・畜生っ!!」デスクに拳を叩きつけるっ!!電話での会話を聞きつけた鳳梨が、俺の側に立っていた。「そんな!俺、担当者にもう一度連絡とってみますっ!!」「止めておけっ!話の口ぶりからして、何度電話したって、どうせ適当にあしらわれるだけだっ!」受話器を取ろうとした鳳梨に語気を荒げると、しゅんとした表情で俯く。「ごめん・・・お前が悪いわけじゃないのにな。ちょっと頭冷やして来るよ・・・」

深く溜息をつきながら工房を出て行く、白雅の背中を見送る私達。皆の表情に更なる動揺が浮かぶ。朱砂の妨害の第二段。どうやら徹底的に、外からの妨害を仕掛けてきているようね。やっぱり怖い人だわ!不敵に笑う彼の表情を想い浮かべて、小さく溜息をつく。

朱砂

「ねぇ?鳳梨君、ソーシャルダンスの関係で、舞台照明の会社探せない?それにいざとなったら、鳳梨君のお母さん達に、ダンスの演出してもらうっていうのは無理かしら?」立ったままの彼に話し掛けると「あっ!!それいいアイディアですねっ!!俺、母に聞いてみますっ!!」彼は早速、デスクのイスに腰を下ろし電話を掛け始めた。だけど母親との会話の様子から、あまりいい返事をもらえてはいないみたい。これで無理だったなら、また他の方法を考えないと!ショーが出来ないとなると、klavierの名に傷がついてしまう!もう、プレスにも、関係各所にも招待状を配布しているのだし、最悪の事態は絶対に避けなくちゃっ!!

「一体どうなっているんだよっ!!立て続けに、こんな事が起きるわけが無いだろうよっ!!」吐き捨てるように呟くっ!!また親父の横槍なのか?自身の人脈を使い、徹底的に他をやり込めるくそ親父っ!!息子の俺にもその戦略を使うってか?工房を出て、スタッフルームに向かいながら考えている。ショーを中止になんか出来ないんだっ!!どうする?照明が手配できなかったら・・・しっかり考えろっ!!

とにかく、代わりの最善策を考えるしかないんだぞっ!!必死に頭を回転させていたら、後から足音。振り返ると、黄麻が廊下を走ってくるところだった。
「いたいたっ!!白雅さんっ!!お客さんですよっ!!」「あん?客?だってklavier閉まっているんだぜ?」「はぁ。工房の窓を、とんとん叩くんで外に出てみたら、お客さんがいたんです。綺麗な女性ですよ!」「女ねぇ・・・わかった!行けばいいんだろ?」せっかく気持ちを落ち着かせようと、スタッフルームに来たのにな。正直言って、誰にも逢いたい気分じゃねぇっつーのにっ!「全くっ!!誰だ?客って?」小さく呟くと黄麻が笑みを浮かべた。「今、染姫さんと親しそうに話していますよ!工房に通していますんで!来て下さいね!」駆け足で工房に引き返す黄麻。??んっ?染姫と親しそうに話している?それって??もしかしてお袋か?

工房に引き返し足を踏み入れると、案の定エリザだった。(´ω`ι)俺の顔を見るなり、子供みたいに抱きついてくるっ!!

「久しぶりねっ!!わが息子っ!! 
(´∀`*))ァ'`,、 ちょっとっ!!あんたもっと嬉しそうな顔出来ないのっ??」
「引っ付くなよっ!!鬱陶しいっ!!Σ(`oдО´;)
みっ!皆見てるだろうがっ!!」ヾ(;´Д`●)ノぁゎゎ
「あら?別にいいじゃないのっ!!久しぶりの親子の対面なんだからっ!!あっ!どうも!愚息がいつもお世話になっていますっ!!」((藁´∀`)) 「愚息って言うなっ!酷すぎるっ!!」Σ(●´д`ノ)ノ
「初めまして!こちらこそ、白雅さんにはいつもお世話になっています!ねっ、染姫さん・・・白雅さんのお母さんって、何ていうか・・・テンション高いですね・・・」「そっ、そうねっ!!」挨拶の後、こそこそっと話す黄麻君に同意をして、2人の様子を見つめ思わず苦笑!「まぁ、いつもの事だけど、エリザさんは。早口で捲し立てるように話す様子は、母子そっくりでしょ?」「確かに!それに凄い美人ですね!しかも若いしっ!!白雅さんのお母さんっ!ヮ(゚д゚)ォ!白雅さんが美形なのが解りますね!(´∀`*))ァ'`,、あっ! 俺、冷たいもの持ってきますよ!義理のお母さんが来てるんですから、染姫さんも座っていて下さい!」

母エリザ

工房にある給湯室に向かおうとした私に、黄麻君が声を掛ける。「でも・・・」「こういう時は、貴女は動かなくていいんですよ!染姫さんは何でも自分で動いちゃうんだから!俺だってお茶ぐらい淹れられますよ!」いたずらっぽく笑い、給湯室に向かう黄麻君に「ありがと」と声を掛けたら、右手を挙げて無言のまま、どう致しましてと仕草で返した。

「何でklavier閉店してるの?せっかく、買い物していってやろうと思ったのに~!(´ω`ι)まさかもう経営難??」ァ'`,、'`,、(ノ∀`*)'`,、'`,、朱砂の妨害がどの程度、息子に影響を与えているのかしら? 探りを兼ねて、klavierに行くように指示したのはもちろん朱砂。「うっせーなっ!!エリザには関係ないだろっ!!それに、経営難なんかじゃねぇっ!!」Σ(`oдО´;) あーあっ!!あからさまに嫌な顔をしてみせる白雅。息子に抱きついたまま、染姫ちゃんにウインクを送ると、慌てたように視線を泳がせて俯いてしまった。そりゃそうよね!彼女は、黒幕が誰だか知っているんだもの!見つめて思う。

「訪問の目的はなんだよっ!!エリザっ!!ウエディングドレスは買っていったんだろ?もう買う物無いだろうが?今後着る予定無いのに、何でドレス買うかね~!」 「うっさいわねっ!!浮気ばっかりしてきた朱砂に、それなりの代償を払わせたかったのよっ!!こんなにいい女をほったらかしておいた罰よっ!!(。-∀-) ニヒ♪それに、あんたのところも潤うでしょうがっ!!」「おお怖っ!!女って怖えぇっ!!まっ、klavierにとっては、いつもニコニコ現金払いで、金を落としてくれる客は有り難いけどなっ!!でっ?何しに来たんだよ?それから、マジ、鬱陶しいから腕放せよっ!!」(>д<;)

「ん?あっ!そうそう!明日マンションに、弁護士連れて行くから!それを伝えに来たのよっ!!染姫ちゃんとの、離婚の話し合いしないとね!でも離婚は、私と朱砂の結婚式を終えてからにしてよっ!!式に臨むときには夫婦でいて欲しいから。それくらい我儘言わせてよねっ!!」白雅から腕を放しながら答えると、2人は一瞬視線を交差させ、気まずそうに俯いた。「つまり私も、白雅のマンションに行くということですね? 」
「まっ、そういうことね。2人で話し合いをさせて、この子が切れて、大切な染姫ちゃんに、怪我をさせたりしたら困るしね!一応私も、白雅の保護者だから参加する。でも白雅、あんたの一方的な理由での離婚なんだから、私はあんたの味方はしないわよっ!!擁護もしないから、そのつもりでいなさい!」「へーへーっ!!勝手にしろよっ!!わざわざそんな事を伝えに来るとはね!お暇なこったっ!!」「へーへーっ!って言うなっ!!返事はハイでしょっ!!ホントにこの馬鹿息子っ!!口の悪いところは朱砂そっくりねっ!!」言いながら白雅の耳を引っ張る!

「痛ってぇっ!!」「返事は??何て言うの??馬鹿息子っ!!私に逆らおうなんて100万年早いわよっ!!」「ばっ馬鹿っ!!エリザっ!!放せっ!!」

「はぁ??親に向かって馬鹿??いい度胸してるじゃないのっ!!」引っ張る力を更に強めると、さすがに従業員の手前もあって、恥ずかしくなったのかとっても小さな声で「ハイ・・・」と返事をした。「謝るくらいなら、最初からハイって言えばいいのよっ!!全くどうしようもない子ねっ!!」染姫ちゃんは唖然とした表情で、私と白雅を交互に見つめていた。

未練の心へ





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Last updated  2008/07/28 06:58:54 PM
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