貴方を守る為に
「さーてっ!!白雅さんっ!!がっつり食いますよっ!!(´∀`*))ァ'`,、 どれでも好きなの食べちゃって下さいっ!!つーか、絶妙なバランスで乗っていますね~!乗せ方上手いな、店員さんっ!!」'`,、'`,、 '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、 '`,、'`,、 何でも楽しんでしまう鳳梨。全くこいつは本当に憎めない奴だね!大らかというか、朗らかというか!苦笑して奴を見つめていたら 「白雅さんっ!!そんなに見つめないで下さいよ~!照れちゃいますからっ!!俺はシャイなんですから~!」。゚(゚ノ∀`゚)゚。ァヒャヒャなんて笑い声を上げている!「シャイね~!その割には誘うのは大胆じゃねぇ??まっいいけどさ!んじゃお言葉に甘えて頂くぜっ!!おっ!!これ美味そうだっ!!」一番上に乗っている、シュリンプ&ポテトサンドイッチに手に取っていた。「ほうれん草とベーコンのキッシュ、美味かったな~!白雅さん、また行きましょうね~!スタバ!好きな人と食べると、美味いものはより一層美味しく感じますよね~!」((藁´∀`)) 「まぁな!鳳梨、お前って結構大食いだったんだな!細いのによく食うな~!俺よりがんがん食うじゃん!」(´ω`ι)店を出た俺と鳳梨は、肩を並べて歩きながら先ほどの朝食について、あれやこれや感想を言い合う。結局、テーブルにあった約半分を奴は持ち帰る。俺は、自分が食った分の代金を鳳梨に渡した。奴は食べ終わった後も更にレジに並び、女性が好みそうな、甘いスコーンなどを買い占めていた。どうやら、お袋さん達の生徒さんへ、楽屋差し入れにするつもりらしい。全部で大きめの袋に3袋!たくさんの生徒がいるんだろうな!そのうちの一袋は俺がぶら下げていた。意外だったのは鳳梨が驚くほど食べる食べるっ!!見ていて唖然とした程だ!ヮ(゚д゚)ォ!気持ちのいい食いっぷりとでも言うのだろうか?まるで体育会系の兄ちゃんと、飯を食っているみたいだったんだ!驚いているより、呆れているように話す白雅さん!「そりゃそうですよ~!(´∀`*))ァ'`,、 俺、ソーシャルダンスやるんですから!動く為にはたくさん食べないとね!」(。-∀-) ニヒ♪「それもそうか!トマトのカレーパイも美味かったぜ!パイ系には弱いんだよ!サクッとした食感がたまらね~!」( ´,_ゝ`)ィ ヒ「おっ!!白雅さんはパイが好きなんですかっ??俺んちの家政婦さんがパイ焼くの上手なんですよ!アップルパイからレモンパイ、ミートパイ何でもござれって感じで!今度白雅さんに持ってきます!」「おっ!サンキューっ!!パイ系なら何でも食うぞっ!!鳳梨ってぼんぼんなのにらしくないよな!気取らないというか、金持ち特有の鼻にかけた感じとか、人を見下した部分ってないんだな。お前と一緒にいると、一つ上なのに後輩と遊んでいる気分になるぜ!」(。-∀-) ニヒ♪「マジですかっ!!((藁´∀`)) 友達からもよく言われますよ~!年齢より下に感じるって!いやいやっ!!ぼんぼんじゃないっすよ~!(´∀`*))ァ'`,、 それに気取ったりするの好きじゃないし~!俺と父はね、女性陣のソーシャルダンスで、飯食わしてもらってますからね~!母と姉さん達の方がはるかに収入がいいんですよ!父はホテルを専門で手掛ける内装屋なんです。忙しいんであんまり家に居ないんですよ~!今日も記念公演なのに行けないってぼやいてましたよ~!」ァヒャヒャ(ノ∀`*)ノ彡☆謙遜するけど、こいつの着ている物と、身につけている時計等の小物類は、みんなBVLGARIで統一されていたりする。アパレルだもん、当然チェックは欠かさないからすぐに判るんだ!「ふーん!残念だろうな、お袋さん達。記念公演なら見て欲しいだろうに!一つの節目だろうしな。」「それがね~!その辺は父はしっかりしてるんですよ~!公演があって行けない時には、花束を楽屋に届けるようにしているんです!見に行ける時は、自分で赤い薔薇の花束を持って楽屋に行くんですよ!母もそれが楽しみなんで!もう2人とも、50過ぎてるのに、こっちが紅くなるほどのラブラブッぷりなんですよ~!」'`,、'`,、 '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、 '`,、'`,、「お前見ていると、夫婦仲も家族仲もいい家庭なんだって解るよ。夫婦の仲がいいに越した事はないんだから、いいんじゃねぇの?俺んちは、早くに親が離婚しているからな、温かい家庭ってもんに憧れを抱いたりするけど。でも、それももう終わりだろうな!」自嘲気味に呟く、俺の言葉に少し項垂れる鳳梨。本当に終わってしまうのかな、白雅さん夫婦は。ちょっと前まで、klavierでのリハ中あんなに仲が良さそうだったのに。妊娠していた彼女を労わっている姿なんて、微笑ましいくらいだったのにな。少し前の出来事を想い浮かべている。「白雅さん、本当にそれでいいんですか?離婚の話、染姫さんからも聞きましたよ!昨日の夜、俺と染姫さんと紅緒と一緒にいたんです!三人で飲んで、染姫さん帰りたくないって言うから彼女に付き合って、カラオケで一晩明かしたんです。」もっともらしい嘘になっているかな?貴方が傷つかない為に。ごめんね、白雅さん嘘をついて。罪悪感でヒリヒリと胸が痛いよ!彼は黙ったまま、言葉に聞き耳を立てている。「夫婦間のことに他人は口を挟めませんしね。付き合うことで、彼女の気持ちが晴れるならいいって考えました。」「随分親切なこったなっ!!俺は染姫を、許す気なんてさらさらないぜ!当然離婚の撤回もしない!過去の出来事とはいえ、絶対に許してやるもんか!」吐き捨てるように呟く!「今後一切付き合わなくていいぞ!自分の都合で他人付き合わせやがって!ったく、どうしようもねぇなっ!!」どうやら白雅さんは、俺の嘘に気がつかなかったみたい!上手くいったみたいだ!染姫さん!やりましたよっ!!心の中でガッツポーズっ!!「でも、可哀想じゃないですか!人は、心の内を誰かに聞いて欲しいものです。白雅さんが俺に、こうやって話を打ち明けるように、染姫さんだって、話を聞いて欲しいって思っている筈ですよ!これからも付き合いますよ、彼女にね。」「はっ!!親切なこったねっ!!勝手にしろよっ!!どうせ話をするなら紅緒にすりゃいいんだよっ!!紅緒は染姫に惚れてるんだからっ!!あいつらがくっつけば万々歳なのになっ!!こちとらが払う慰謝料だって、少ないに越した事はないんだからさっ!!」背中にひやりと冷たい汗が流れるっ!!やっぱり白雅さん、勘が鋭いっ!!紅緒の名前を出してきたっ!!決して知られちゃいけない、染姫さんと紅緒が関係を結んだ事実!そうか!慰謝料が絡むんだもの、白雅さんにとって、あの2人が関係を持ったと知ったら、自身が払う金額も減る可能性がある!この場合は、やっぱり染姫さん側についてあげないといけないよな!女性が一人で子供を育てるのは大変だろうに!「白雅さん。染姫さんは、貴方と婚姻を交わしている間は、紅緒と関係は持たないと思いますよ。彼女慎重だし、身持ち固いし。いくら紅緒が彼女に熱を上げていても、そう簡単に、身を委ねたりしないと思いますけどね。ほら、紅緒ってまだ同性から見ても、頼りない部分あるじゃないですかっ!!」 「そうかね?解んないぜ?少なくとも俺は疑ってかかっているけどな!あいつらが、関係持ったんじゃないかって!まさか鳳梨、あいつらにそう言えって言われたんじゃないだろうなっ!!」傍らの鳳梨を強く睨みつけるっ!!「実は、お前もグルだったりして!な?鳳梨?」俺の顔を覗き込むようにして、疑り深い視線を注ぐ白雅さん!緊張して身が竦みそうっ!!大丈夫!落ち着けっ!!舞台に上がっている時のように、演技者になればいいんだっ!!頬を膨らませて彼の顔を見つめ返す!「俺があの2人を庇って、何のメリットがあるって言うんです?酷いですよ!白雅さんっ!!俺まで疑うなんてっ!!あーあっ!!信じらんないっすよっ!!一夜を共にした人間を疑うなんてっ!!」゚。・゚ヾ(゚`ェ´゚)ノ。゚・。「お前はそう言うけど、俺が離婚を切り出して染姫は酒飲みに行くって言ったんだぞっ!!それに帰るって言っていたのにも関わらず、家に戻って来なかったんだぜ?何かあったのかもしれないって、疑ってかかるのは当たり前だろ??」睨みつけたままの彼に「白雅さん。俺、染姫さんの手首のアザ見ましたよ。彼女は慌てて隠して、何も言わなかったけれどね。もしも俺の予想通りだったなら、あまりにも酷いですよ!女性が恐怖感を抱き、家に帰りたくないって思うのは、当たり前なんじゃないですか?」彼を非難する事で嘘を誤魔化し、彼女が家に帰らなかった理由を作り上げたかった!だってそうしないと、疑ったままの強い視線は、俺から決して逸らさないだろう!貴方を守る為なんです!どうか上手く嘘を突き通せますようにっ!!神でも仏でもいいから、誰か俺に力を貸してよっ!!袋を持つ手に汗が滲んでいる!Sarrauteの挑発へ