122998 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

空想世界と少しの現実

空想世界と少しの現実

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

緋褪色

緋褪色

Freepage List

Comments

緋褪色@ 美羽子さんへ コメントありがとうです! 美羽子さんの…
緋褪色@ black obeliskさんへ ご無沙汰しております! データー・・・…
緋褪色@ ながさわひろさんへ お返事遅くなってしまい申し訳ありません…
美羽子@ Re:小説、しばらくお休みさせていただきます。(09/16) お話をより良くする為のデータ移しや編集…
black_obelisk@ Re:小説、しばらくお休みさせていただきます。(09/16) コメントではお久しぶりです。 データを…

Category

Favorite Blog

(・(ェ)・) 櫻戯さん
寝ても覚めても貴方… mi wa koさん
腐女子の囁き♪ あきらNo.1さん
おれ兵隊だから 天の字さん
black obelisk black_obeliskさん

Archives

2024/11
2024/10
2024/09
2024/08
2024/07
2008/08/01
XML
「紅緒っ!!てめぇっ!!」
バターン!!もの凄い大きな音を立てて、入り口のドアが外側に開かれた!控え室に鬼の形相で入ってきた白雅さん!「どっ!どうしたんです??白雅さんっ!!俺、何かミスしましたかっ?」つかつかと歩み寄り、俺の胸座を強く掴み、ドスンと鈍い音を立てて、背中が壁に押し付けられたっ!!彼の瞳には激昂の色が浮かぶっ!!まさか・・・一瞬過ぎる微かな不安!

「紅緒っ!!お前よくもっ!!染姫はどこだっ!!」

喚く白雅さん!そうか、俺達の関係を知ってしまったんだっ!!不思議なくらい、俺は冷静だった。「殴っても構いませんよっ!!威嚇されたって、俺は、貴方の事なんて怖くないっ!!白雅さんが捨てた人を、俺は拾い上げただけです!!どうして染姫さんの過去を、貴方の父親が絡んでいるとはいえ、受け止めてあげなかったんですっ?」

「お前には関係ないだろっ!!染姫はどこだっ!!言えっ!!紅緒っ!!」「言いませんっ!!たとえ知っていたって、今の白雅さんに絶対に言うもんですかっ!!」

「てめぇっ!!」右手の拳がボディに入るっ!!みぞおち狙いやがったっ!!一瞬息が出来なくなって、身体をくの字にして必死に喘ぐっ!!「チクショッ!!」気がついたら俺は、白雅さんの右頬をぶん殴っていたっ!!床に転がる彼を上から睨みつけるっ!!「掛かって来いっ!!女の過去もまともに受け止められないっ!!ちっせー男なんかにぜってー負けねぇっ!!」

「上等だっ!!紅緒っ!!俺だって負けてたまるかっ!!」左の口の端が切れたようだ!うっすらと舌に鉄の味がする・・・「人の女に手を出すなんて、百万年早えぇんだよっ!!」床から起き上がりながら、奴を強く睨みつけるっ!!「お前を叩きのめすっ!!」拳を握り締め奴に殴りかかる!だけど、寸でのところでかわされてしまうっ!!それが更に苛立ちを加速させたっ!!「地面に転がるのは貴方ですよっ!!白雅さんっ!!」

「本気なんだなっ!上司ぶん殴って、解雇されてもしらねーぞっ!!」「好きな女護る為だったら、別に解雇されても構いませんよっ!!第一、過去も受け入れられないような、ちっせー上司の許で働くなんて、魅力も感じませんねっ!!」じりじりと間合いを詰めて、ボディに拳を打ち込むっ!!苦しそうな表情を浮かべる彼に、「どう考えても、白雅さん貴方に勝ち目はないですよっ!!俺、これでも少林寺拳法の黒帯ですからっ!!」叫ぶと同時に攻撃を仕掛けたっ!!瞬時に、みぞおちに三発拳を叩き込むっ!!片膝を付く、身体を強引に胸座を掴み上げる!「苦しいでしょう?でも貴方はこれ以上の苦しみを、染姫さんに味合わせたんだっ!!」

「うるっせーっ!!自分の女をどんなふうに扱おうが、俺の勝手だろっ!!」彼の言葉は、まさに火に油を注ぎ入れるようなものだった!殴りかかる拳を受け流し、右腕を左脇で挟み込み、右手で喉許を締め上げ呼吸を出来なくさせる!「マジ、ギブアップしないと、呼吸出来ないで窒息死しますよっ!!ここ、急所ですからっ!!」意識がぶっ飛ぶ手前まで、強く締め上げてやるっ!!怒りに任せてぎりぎりと締め上げていくっ!その時、騒ぎを聞きつけた警備員と共に、染姫さんが、血相を変えて部屋に入ってきた!

「止めてっ!!お願いっ!!紅緒君っ!!白雅を放してっ!!」耳に届く染姫さんの声と、背中に縋りつく温もりで、ようやく我に返ったっ!!白雅さんを解放すると、苦しそうに肩で大きく呼吸をする!「ちき・・・しょ・・・お前・・が・・・少林・寺の・・有段・・・者だったとは・・な・・・」「白雅っ!!」崩れ落ちるように床に倒れこむ彼。染姫さんが抱きかかえる姿を、静まらない怒りを抱いたまま見つめていた。

気がついたら俺は点滴をされて、病院のベットの上。目覚めた時には、心配顔の染姫が、俺の手を握り締めていた。「なんだよ・・・俺のところにいないで、とっとと紅緒のところに行けよ・・・」「それが目覚めの第一声ですか?意地っ張りね!行きますよ!ご心配なく。気分はどう?」「よくも悪くもねぇ」言葉に薄く微笑みを浮かべる彼女。「白雅、蝋燭を照明に代える貴方のアイディアは、衣装を引き立てて幻想的だったと、とても評判良かったですよ!残念なのは、報道の新聞記事の中に、貴方がいなかったことだけです」

「えっ!!ちょっと待てっ!!ショーは終わっちまったのか??今日は何日だよっ?」慌てて起き上がろうとする身体を、彼女が制する!「ショーは昨日無事に終わりました。八月一日ですよ!瞑月皇子と一緒の、貴方のお誕生日です!そして今日が、朱砂さんとエリザさんの結婚式ですよ!」染姫から病院にいる経緯を聞く。どうやら俺は肉体的、精神的な疲労と、そして喘息の発作、尚且つ度重なる睡眠不足で、ショーの三時間前に病院に運ばれてしまったらしい。止めを刺したのが紅緒との諍い。「マジかよ・・・情けねぇ・・・」強い敗北感が心を打ちのめすようだ・・・

「貴方の不在を、黄麻君が立派に務めてくれましたよ!ショーを終えた後『白雅さんのプレッシャー、凄く解った』って笑っていましたけどね!」「紅緒は?」「自宅で自主的に謹慎中です。『もう、klavierにいられない』ってかなり凹んでいましたけど」「あいつ、手加減も無しに、マジみぞおち打ちやんの!それだけ、お前に本気なんだ!腕っ節には自信あったんだけどな、有段者にはさすがに敵わなねぇな・・・」

2人

「そうですよ!貴方と違ってね、彼は一途に私を想ってくれる。だから離婚後は紅緒君の許に行きます」一抹の寂しさが込み上げるけれど、染姫の表情からは、何の迷いも見受けられなかった。「そうか・・・そうだよな・・・」ベットからゆっくり身体を起こす。「結婚式、出席してやらないとな。服は?」「準備してありますよ!ご心配なく!」「さすがだね!女房はそうでなくっちゃな!」俺の言葉に、染姫はいたずらっぽく、クスクスと笑い声を上げた。

人前式での挙式をする両親。2人は終始笑顔で、見守っている俺達にも、喜びが伝わってくるような結婚式だ。結局エリザが選んだのは、パールとスワロが沢山縫い付けてある、フェイスアップ式のベール。klavierで二番目に高額なベールだ。お袋が二番目に高いベールを選んだ理由は、「二回目の結婚式だから、二番目に高いやつ」だとさ!なんじゃそりゃっ!! 両親

ま、いいけどさ!幸せそうに何度も見つめ合う両親の姿に、複雑な心境の俺。誓いのキスなんて、まともに見ていられなかったぜ!傍らの染姫は、薄く微笑みを湛えて見守っていたけれど。自分の親だもん、あんま見たくねぇ光景だよな。あーあ!親父の奴デレデレしやがってっ!!(´ω`ι)みっともねぇっ!!

誓いのKISS

八月一日を結婚式に選んだのは、俺の誕生日だかららしい。挙式前二人に呼ばれて、控え室を訪ねた俺ら夫婦と正清に両親は言った。「白雅、正清。白雅が産まれた日に挙式をするのは、離婚した俺達がお前達に出来る、せめてもの侘びのつもりだ。エリザが家を出て、2人には寂しい想いをさせちまったな。本当にすまなかった」「ごめんね、白雅、正清。私達のせいで、たくさん悲しい想いさせちゃったわね。これからは、私と朱砂、絶対に仲良くするからどうか許してね」

頭を下げる両親に、不覚にも涙が浮かびそうになったっ!唇を噛み締めて必死に感情を堪えるっ!!「おうっ!!仲良くしなきゃ、再婚の意味がないだろうがっ!!」「もうっ!!兄さんっ!祝い事なんだし謝っているんだから、もっと素直になりなよ~!父さん、母さん、本当におめでとう!絶対に幸せになってよね!僕も、今、結婚したいなって、想っている人がいるんだよ!」

正清の言葉に嬉しそうに微笑む両親。「この会話には入れねーよ!つか、入っちゃいけねーだろっ!」彼女の背中を押し小さく呟きながら、俺と染姫はそっと部屋から退散した。祭壇に並ぶ両親を見つめ、少し前の出来事を想い浮かべている。

「なぁ染姫」「何です?」「俺達、ほんとに離婚していいのかな・・・」「貴方が決意したんでしょ!私は応じます。それに、もう貴方のところに、戻る気はありませんから」「随分きっぱり言うね」思わず苦笑。
「言った筈ですよ!『見切りをつけたらさっさと乗り換えます。』ってね!それとも今更、未練があるんですか?」「ん・・・正直解んない。未練なのか、固執なのか、それとも恋慕なのか。ただ、今の気持ちは迷ってる」
「随分、素直じゃないですか?」「そう皮肉っぽく言うなよ!一応まだ夫婦だしな、本音を出したっていいだろ?」彼女は黙り込む。

「本音ついでに言えば、俺の中で女の一番は、お前だけなんだぜ?染姫」今じゃなきゃ言えそうになかった。傍らの彼女の手をぎゅっと握り締めた。

BVLGARI NOTTEへ






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008/08/09 10:40:15 PM
コメント(2) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X