カテゴリ:イギリス
琵琶湖ホールにて。
事前に小田島先生訳のスクリプトを半分ほど読んでいったのですが、英語はほとんど聞き取れなかったので、もっぱら役者さんの動きをみていました。 上演後、演出のグレゴリー・ドーラン、オセロー役のセロー・マーク・カ・ヌクーベ、デスデモーナ役のリサ・ディロン、エミリア役のアマンダ・ハリス、進行と要約通訳に京大の喜志哲雄先生で、アフタートークがありました。 オセローがイアーゴーの言葉に翻弄されて、だんだん感情が高ぶっていく時、足でステップを踏み、独特の体の動かし方をしたのが、印象的でしたが、それは、ズールーの踊りからヒントを得たものなのだそうです。 今回は実際に南アフリカ出身の俳優さんが演じたので、地の底から先祖の霊を呼び出し自身の味方につけるという、ズールーのステップがとても効果的でした。 会場の中から、5人の方が質問をされたのですが、どの方も何度もオセローを観ていらっしゃるようで、今回の上演がいかに、印象的なものであったかを口々におっしゃっていました。 演出家ドーランの、深い分析力が、ものを言った作品となったそうです。 喜志先生がおっしゃっていたのは、今までの解釈だと、イアーゴーの悪者ぶりが全面に出過ぎて、オセローは登場した途端にもう、こっけいな道化役に成り下がってしまうが、今回はとてもオセローが高貴だったという点。 エミリアが退屈な役まわりでなく、自立した個性的な女性として描かれている点。(わたしも、エミリア役のアマンダ・ハリス、凄い演技力の人だと思いました。) キプロス島の舞台装置で、金網のフェンスが効果的に使われていたり、最後の場でデスデモーナのベッドの周りのカーテン(canopyというそうですが)が天井付近から長く垂れていたりするのは、檻の中に捕らわれているオセローであり、デスデモーナであり、イアーゴーであるということを強調するのに、きわめて効果的だったという点。 などなどです。 はじめて観たのにいい上演を観られてよかったです。 もっと英語勉強しなくては・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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