ストーリーは、謎のウィルスのせいで12年の寿命と引き換えに高い知能と運動能力を得た超人間“ファージ”。彼らに恐れをなした人間政府は一瞬で彼らを絶滅させる秘密兵器を開発。ファージ軍は兵器破壊のため、女戦士ヴァイオレットを送り込み・・・。
○製作年:2006年
○監督:カート・ウィマー
○出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ/キャメロン・ブライト/ニック・チンランド/ウィリアム・フィクトナー、他。
感想ですが、イーオン・フラックスとはドングリの背比べといったところでしょう。マトリックスちっくな新感覚・近未来アクションという時点で駄作警報発令です。現実に逃避しなくちゃならなくなってしまった時にみるといいです。
まずはこういう映画って世界観をきっちり構築していなくちゃいけないと思うんですがそれがまるでできていないわけですね。そこで人々が生活しているという実感がないです。
ミラ・ジョボヴィッチのギャラで金が尽きたのか全体的にチープなCGが陳腐さにさらに拍車をかけてます。まるでテレビゲームのオープニングムービーを見ているような感じです。ウィルスに感染した人間はファージと呼ばれその超人的な能力ゆえに人類から危険視されてしまう設定もこのチープな世界の中ではとってつけたみたいに感じられて説得力がありません。出てくるキャラもファージと悪役だけです。その悪役のほとんどはヴァイオレットにやられるだけの捨て駒みたいなものです。きちんと武装して出てきたのに5秒後には死んでいる。政府(?)に無理やり中絶をされた過去を持つヴァイオレットは人類の最終兵器とされる少年を殺すことができずに彼を連れて逃げ出したため政府とファージの両方から追われることになります。追われているのに自慢のカラダにピッタリフィットした超不自然でやたらと目立つコスチュームで敵と戦います。重武装した敵10人以上に囲まれてもクルクル回っていれば敵が勝手に死んでくれます。格闘よりもインチキ臭いダンスを見ているようなアクションです。スタイルが良いだけ上戸彩ちゃんよりちょっとはマシかなあといったところでしょう。見せ場は重力のベクトルを自在に変えながら疾走するバイクシーンです。ヘリの銃撃をかわしながらビルの壁面を真横になって疾走する姿は迫力がありますが、この映画で楽しめるのはここだけのような気がします。あとはミラがボディ自慢を兼ねた必要以上にスタイリッシュな戦いを演じているだけで彼女のイメージビデオに近いですね。ミラ・ジョボヴィッチを眺めていればご飯が何杯も食べられるという人じゃないとちょっと厳しいでしょう。ストーリーもキャラ設定もホントにテキトーなのでマトリックスを期待していくと、ワールドカップ日本代表級の失望間違いなしです。だいたい金もないくせに近未来SFなんかやろうというのが間違いな気がします。ギャラがケチられたのか、ふだん脱ぎたがりのミラもちらっとしか見せてくれません。
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