ストーリーは、ロサンゼルス消防庁の消防隊長・ゴーディーは、ダウンタウンにあるカフェで妻子と待ち合わせをしていました。時間に遅れたゴーディーがカフェに到着すると、突然爆発が起きます。愛する妻と幼い息子の無惨な死を目の当たりにし、悲しみに打ちひしがれるゴーディーは、CIAやFBIが正義の裁きを下すものと信じていました。犯人は、コロンビアのテロリスト"ウルフ"。爆発直前にウルフを目撃していたゴーディーは当局に通報もしていました。ですが、捜査が進展している様子は全くなく、何度も捜査状況を確かめに行くうちにある疑問が確信へと変わってゆきます。妻子は、国家が外交政策を優先するための犠牲になったのだと。ゴーディーは自らの手でテロリストを捕え復讐することを固く心に誓い、たった一人でテロリストたちに挑んでいき・・・。
2001年9月11日に起こった米国同時多発テロ事件の影響で、一時は公開が無期延期になった映画ですが、約半年後には公開され全米No.1を獲得しました。いまやカリフォルニア州知事であるアーノルド・シュワルツェネッガーの主演。
感想ですが、9月11日の連続テロ事件のおかげで無期限公開延期となった映画です。あの事件があったので公開予定だった映画に相当の変更があったように思います。
結局何を言いたいのかよく分からない映画になってしまった気がします。コラテラル・ダメージという映画は「テロには絶対に屈さない」という現在のアメリカの姿勢とずいぶん反する内容です。悪役のテロリストもアメリカの軍事行動の巻き添えで我が子を失っているという設定。ですが、その悲しい過去を背負っていながら、この男は部下を平気で惨殺したりと必要以上に凶悪な人物設定になっています。どうもこの設定はちぐはぐです。9月11日のテロ事件が起こってからテロ=悪という印象を際だたせようと、あとで編集し直したような感じがします。公開予定の映画はもっと違った展開で描かれていたのではないでしょうか。
あちらこちらでいじったような跡があり、破綻とまではいかないにしても設定がどうもかみ合わないです。テロを扱っている割に何を訴えたいのかよく分からない出来。特にテロに対するアメリカの姿勢というものが見えてきませんでした。
結局、テーマがおぼろげなアクションだけが派手な映画となってしまいました。でも、終盤の急展開など単なるアクション映画として見れば楽しめます。平均的日本人には、テロも対岸の火事でしょう。
○製作年:2001年
○監督:アンドリュー・デイビス
○出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、フランチェスカ・ネリー、イライアス・コーティアス、クリフ・カーティス、ジョン・レグイザモ、ジョン・タトゥーロ他。
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