曲まめ子の　まめ子な日々

７月４日金曜日、美輪明宏さんのコンサートに　生まれて初めていきました。
コンサートの様子を書きますので、これから行かれる方にはネタバレになりますが
ご了解ください。

さて、静岡県内には、もっと立派な大きなホールがいろいろあるのに、
焼津の田舎町、それも大井川文化会館ミュージコでのコンサート。
友達のねたのちゃんに誘われたときは「行く！」と即答でした＾＾
去年は美輪さんのトークショーがあって　私は行かなかったけど
やはり、歌が聴きたいですよね！

折りたたんだチラシを広げて　写真を撮りました。


会場は満席。
開演前には「咳をされる方は　ハンカチやタオルで覆ってください。
咳に対する苦情がでております」と館内放送があり　客席から笑いが起きた。
「咳しちゃいけないと思うと　緊張しちゃうね」　飴を舐めて準備。

やがて場内が真っ暗になり、美輪さんは　あの美しいドレスと金髪で
ロマンティックに登場・・・かと思いきや、
悪魔のような笑い声が暗闇に響き、黒い短髪、黒い衣装の男装（？）の美輪さんの
素晴らしい声量の　地の底から轟くような歌が始まり　度肝を抜かれてしまった。

「ごきげんよう」・・・「花子とアン」のナレーションのようなご挨拶にみんなどっと沸く。
「ロマンティック音楽界といいながら　全然ロマンティックではない舞台と歌で
驚かれたかもしれませんが　わたくしは　元祖シンガーソングライターと言われています。

第一部では　弱者や戦争で犠牲になった方達や　世の中がどんどんと悪い方向に
向かっているという警告などを含め、歌っていきたいと思います。
第二部では　華やかでロマンティックな歌をお届けします」

長崎で原爆にあった美輪さん。
原爆で家も家族も失ったという美輪さん。
戦争に対する激しい怒りが　全身から感じられる。
安倍政権への批判、集団的自衛権への危惧、
歌も　従軍慰安婦のことを歌った「祖国と女達」、終戦後流行った「星の流れに」など、
１曲歌うごとに　ＴＶと同じ歯に衣着せぬお話が続く。

「ヨイトマケの唄」も生で聴いて、身じろぎできないほど惹き込まれてしまった。

そして第二部。
第一部は　幕が上がると、暗い照明と装置だった舞台が、薔薇の花に囲まれた
美しく華やかな　夢のような世界に変えられ、客席から「わぁー」と歓声。
しかもいい匂いが漂ってきて　「あれ？　何？　いい匂い！」
私はせっせと「匂いのオーラだ」って吸い込んだ(笑)

美輪さんは　中世の貴婦人のように束ねた黒髪に　深い海のような濃い青のドレス。
いい匂いにわぁーと沸き、美輪さんの登場にキャー！

髪に、胸に、耳に、手に、腕に、キラキラキラキラ輝く宝石。

最初の歌は　私がまだ小さい子どもだった頃、美輪さんが丸山明宏だったころ、
シスターボーイと呼ばれたころ大ヒットした「メケメケ」
昔、聴いた記憶がある。
美輪さんが男か女かわからなくて　クネクネしながら歌っていた記憶。

そしてロシアンカフェの歌、くるり、ひらりと踊って踊って美輪さんは美しい。
最後は「愛の賛歌」
岩谷時子さんの訳詞は素晴らしいけど、わたくしはそのままを訳して
皆様にお話し、それからフランス語で歌います、と。
この歌を歌うとき、エデット・ピアフが　この舞台に降りてくれています、と。

それはそれは素敵で、フランス語がわからなくても心打たれ
美輪さんが投げキッスをする瞬間までうっとり

美しいしぐさ、優雅なおじぎ・・・・客席はスタンディングで大拍手。
私も「ブラボー！」「美輪さーん！」「ブラボー！」叫びまくりました(笑)

鳴り止まぬ拍手に、アンコールは「花」　
♪川は流れて　どこどこ行くの　人も流れて　どこどこ行くの

これは　輪廻転生の歌なんですよ、と美輪さん。
１曲ごとに話されるトークの絶妙さと人生の重さ。


最後まで息つくまもなく、素晴らしかったです。
１８時半から１９時４０分までが第一部。
２０分休憩して　２０時から２１時まで第二部。

美輪さんは　１９３５年生まれの７９歳。
戦争を体験し、長崎で被爆し、性的な差別を受け、
なおかつ美しくたくましく　声量も　存在感も　圧倒されました。凄かった！