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カテゴリ:気象
昔 独身の頃、広島の会社に勤めていた。
あちこちの支店や支社や営業所の人達と電話連絡をすることが多かった。 倉敷支社に出張で行った時に ひとつ年下の女性Tさんと親しくなった。 倉敷を案内するからウチに泊まりに来て、と言われ 広島→倉敷は1時間ぐらいなので日帰りできるんだけど 泊まりながら遊びに行ったことがある。昔からフットワークは良いのだ(^_^;) お互い結婚して 私は何度か引越し、でも年賀状だけの付き合いが続いていた。 年賀状には電話番号もアドレスも書かないので 2人の付き合いは年賀状だけになっていた。 昨年7月7日の台風21号。 関空の橋が壊れ、広島、岡山も酷い被害が出た。 倉敷市真備町が水に飲み込まれ、水上バイクが走り回って 屋根の上の人達を助けているのを 呆然と見続けた。 どうしよう、Tさんが住んでいるのは真備町だ。 どこにどう連絡すれば彼女が今どういう状態なのかわかるのだろうか。 市役所に聞いても 身内でもないのに個人情報は教えないだろう。 生きていないかも知れない、流されてしまったかも知れない、 生きていても避難所で暮しているのかも知れない。 真備町の様子がニュースなどで流されるたび 気持ちが重くなった。 どうしようと思いながら、年賀状を出してみた。 写真が沢山入っている私の浮かれた年賀状、申し訳ないなと思いながら 「何も目出度くないかも知れませんが、心配しています」と書いたら しばらくして返事が来た! 「何もなくなりましたが命があるので頑張ります」 あぁ 良かった。生きていた! 空き家になった実家を時々風を通しに行っていたので 実家に避難して暮しているのだという。 少しのお見舞金とお菓子とお茶を送ったら電話がかかってきた。 40年以上会っていないし声も聞いていないのに 懐かしくて「同じ声だ、同じ喋り方だ」と思った。 春になったらボチボチリフォームに取り掛かり また真備町に戻るのだそうだ。 高い場所に避難して無事だったけど 家が水没していくのを見るのは悲しかった、 災害は経験した人でなければわからないと思う と言った。 長い間話した。 何度も会っている相手ではないのに いろんなことを話した。 携帯の電話番号とアドレスを教えあい、これで繋がったと思った。 「幼馴染みと話しているような錯覚になりました」とメールがきたので 「靜岡に来てね、案内するから、美味しいものご馳走するから」と返信した。 「靜岡に富士山を見に行くことを楽しみに頑張ります」という返事に 彼女の前向きな気持ちが嬉しかった。 まだまだ 頑張るぞと思ったり落ち込んだりの起伏が激しいと思うけど いつかそのうち一緒に富士山を見るために お互い元気でいようね お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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