カテゴリ:結婚
ある日曜の午後の話
夫は朝早くより慌しく出かけていた。 静かな昼下がり、元気のいい子供たちと過ごす日曜は平和だった。 その時に電話が鳴った。 夫の声で 「決めて欲しいことがある」と。 「今日、俺は893まがいのとこから、金を借りた、 50万借りた、午前中に競輪で20万すってしまった、 で、残り30万今あるんだ。 本当は、この金を資金にして今借金のあるものを儲けで返すつもりだった。いわゆる大きな人生の賭けだったのだ。 しかし、もうダメだ、明日自己破産をしようと思う。 それで、40万準備金が必要なのでその支度金を用意してくれ。 もし、用意できないのなら、 今の残りを次のレースに全部つぎこんで賭けをする、 そして、これで又負ければ、明日以降返せなくなるから 自宅に893が取り立てに来て何をされるか分からない、 でも、 支度金を用意してくれるのなら、 この残りの30万は持ち帰りそのまま返済にしておく どうする? あと、3分でレースが始まる。 この3分で答えを出してくれ。」 こんな話の内容だった。 突然の申し出ですぐになんて答えを出すのは到底無理だった。 だから、とりあえず、 そのレースはやめて、家に戻り話し合いしよう、と持ちかけた。 でもダメだった。 二つに一つの答えしか許さないと。 こういう場合は 恐怖の大きいほうにばかり気がとられる。 私は、実家までに遠く、 明日やあさってなどに実家に身をおけるような 状況ではないのだ、 それを知って、 夫は私に脅迫してきたのだ。 そこまでしても 私に自己破産の手伝いをさせるつもりだった。 「あと、2分」 と夫が追い詰める。 「あと、1分」 また、追い詰めてくる。 「・・あと、20秒!さぁ、どうする?!どっち?!」 「もうダメだ、次のレースを買ってくるよ、いいね」 「・・・・・・。」 「待って。 分かったよ。」 そして、私は70万を夫に預けることになり、 そして夫は自己破産することになった。 これは本当の事実の話。 まるで、ドラマになりそうな追い討ちだが、 私はそのヒロインになってしまった。 こんな夫からの脅迫は今に始まったことではなかった。 しかし、このときのが一番衝撃的だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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