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カテゴリ:本の感想 作家別-あ行
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場?。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。 16冊目 話題の作家伊坂幸太郎の作品はお初です。夫が漫画の青年誌を買っていて読み切りで"終末のフール”のエピソードを漫画化していたのを読んで、破滅的な設定の中に人を見守る優しさを感じて気になっている作家でした。金銭面もありますが読んでいるとき楽なので私は文庫派なのですが、ダ・ヴィンチでの特集で文庫が紹介されていなかったのでどうしよと思っていた所オーデュポンの祈りと本作が文庫になっててにんまり。ちょっと悩んでオムニバス形式の今作を先に手にとりましたが大変満足 4つの物語が平行して語られていて最初は場所位しか錯綜するところがないのですが、物語がすすむうちにそれぞれの行動が関連をもっていくことが分かりページがすすみます。各エピソードの時間軸が微妙にずれているのがミステリー好きにはたまりません。その時間軸のずれすら冒頭のエッシャーの絵に組み込まれていく構成 これまたラッシュの4つの定義に沿って つらくやるせないエピソードもある一方 洒脱な泥棒の話や まさしく明日にむかってなんとかやっていこうという話など盛りだくさんである一方 ものの見事な収拾をみせます。 他の作品も読まなきゃ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.04.18 16:11:46
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