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Lake Moraine ~Book Cafe~

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2007.09.27
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「出ていって、悪いことが起こらないうちに」これが、念願のマイホームを手に入れて、はしゃいでいた母のつぶやきとは思えない?。このときから、翠の身辺で怪現象が始まる。なんのためにか、鏡を嵌め込み、塞いだ窓からは、いつも誰かがのぞいている。家の中には姿なき住人の気配。立ちこめる腐臭…。
調査にのりだした渋谷サイキック・リサーチだが、
そこで麻衣が姿見の向こうに見たコソリの正体とは。
迫真の本格ホラー堂々登場。  ~上巻より~



「出ていって、悪いことが起こらないうちに」念願のマイホームを手に入れたはずの母親がそうつぶやいたときから、翠の身辺で不可解なことが相次いだ?。窓という窓に鏡が嵌めこまれているのは何故?いつも家の中をのぞいているのは誰?立ちこめる腐臭は何?これらの謎が解かれ、怪現象も一件落着。しかし、その直後、忍び寄る影は翠めがけて鉈を振り下ろした。それは、息を潜めて、まさに、「このとき」を待っていたのだ。 ~下巻より~



42・43冊目

 勘違いで借りてきた、今度こそ正真正銘のゴーストハントシリーズの幕開け
(でも多分続巻でないでしょう。残念涙ぽろり)
悪霊シリーズ最終巻で一時日本を離れたかの唯我独尊毒舌青年が帰ってまいりました。

あとがきとWikiによると、なんでも昔は(今もそうかは?) 
少女小説は主人公は普通の女の子で、その主人公の一人称で恋愛要素を
いれなければならないといったきまりがあったそうです。
「なんじゃそりゃ?!」 ですが
それを逆手にシリーズ構成をして書いたのが悪霊シリーズだそうです。

前述のように私はアニメと漫画で悪霊シリーズ読んでいてさして
違和感を感じずにきて
 小説は最終話だけしか読んでないのですが霊が麻衣達を追いつめるシーンで
どうもちぐはぐというか立ち位置がつかめなくなって恐怖感より
そっちに気をとられたのが気になりました。(でも十分恐いどくろ)

今作では視点が三人称になっているので各登場人物の考えてることも描写され
視点も変わるから恐さ倍増でした。(やっぱり原作小説よみたくなった)

ゴーストシリーズですから霊、悪霊と思われる存在もあるんですが、
何が恐いかと言うと”コソリ”はつまるところ人の情念 それも誰でも持ちうる不満や、
行き違い、いらだちなどがきっかけとなるということが実に説得力をもって描写されます。
ほんの短い描写なんですが日常生活から産まれる
”人をころしてしまえ”といった憎しみが増大していくさまが
土屋隆夫(推理小説家)ばりに現実的に恐ろしく
それにホラーをからめていかれるのでフィクションでもじんわりと
ひきづりこまれるような恐さがあります。

物語は購入したばかりの家での不可思議な現象に悩まされたOLが
とある公務員をしている友人を頼るところから始まります。
相談にのるうちその友人のとある公務員の同僚広田がボデイガードをかってでて、
どうせだからムカッ本格的に調べてもらおうと
「SPR」の事務所に問題の家を調査依頼するところから物語が始まります。

三人を迎えたのは麻衣かと思いきや、探偵顔負けの調査力をもつ大学生バイトの安原君
あいかわらず そつのない対応で接客している時に 学校を終えた麻衣が登場! 
てきぱきと依頼内容を聞きだしていく姿にうわ~とっても成長しているとお母さんのごとく
感慨深く、+SPRの調査費用の内訳(調査費は経費のみで謝礼は心霊研究関連への援助と言う
名目の寄付で額は気持ちだけさいふ)なんかのお披露目がありました。
そこへ 傲岸不遜、眉目秀麗な若き所長ナルが諸々のことのため帰国していた英国より
助手(でもメンバー最年長、美形)の林と一緒に帰ってきて調査開始ダッシュ

問題の家におなじみのカメラやらサーモメータやら機材一式を運びこんでいきます。
SPRの調査方法の第一段階は実務的な調査で
家の立付けや傾斜等ないかといった測量的なものから始まり、
科学的な検証で数値がでないとなると状況に応じてそれぞれの得意分野を持つ
霊能者に協力をあおぐ姿勢をもっていますが、

生来の頑固でオカルト嫌いに加え仕事上の関連もあって超常現象をまっこうから
否定する広田の視点が入ることによって、
一般的なイメージの心霊調査にまつわるうさんくささが語られる一方、
それを受けてナルが不本意ながら(ここポイントです)科学的に調査する一方で
これまた科学で分析しきれない事象を真に心霊現象と言えるのか学問として研究していく過程を
説明していくのが(広田の姿勢がヒステリック過ぎてめげますが)かなり読ませます。
ナルならきっとあの大槻教授も黙らせるでしょう。グッド

まあナルの説明は論理的かつ冷徹過ぎて、
通常の知性しかもたない一般人にはやりばのない屈辱感まで与えてしまうのですが    
そこは除霊に助っ人にきた気配りのきくぼーさんダブルハートが情緒面での説明を加えます。

 私のしょうもない説明ではなにを言いいたいのか描写できないのですが、
ホラーミステリーというのかエンターテイメントとして十分魅力的な
ストーリーテリングが展開する中で
実世界において例えば心霊写真や金縛りにあっているという人が側にいるとしたら 
ちゃかしたり、気のせいだとなだめたり、はてはお祓いをと 
大騒ぎになるかもしれないのですが
どうやったらその人にとっての異常現象を解決することができるのかということを
真っ正面からとらえているなとしみじみ思います。


 





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最終更新日  2007.09.28 03:03:03
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