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カテゴリ:本の感想 作家別-あ行
時は幕末、処は江戸。貧乏御家人の別所彦四郎は、文武に秀でながら出世の道をしくじり、夜鳴き蕎麦一杯の小遣いもままならない。ある夜、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、霊験あらたかにも神様があらわれた。だが、この神様は、神は神でも、なんと貧乏神だった!とことん運に見放されながらも懸命に生きる男の姿は、抱腹絶倒にして、やがては感涙必至。傑作時代長篇。 家でゆっくり横になっているば復調するだろうと間違ったことを 考えていて入院の前日に痛みでうなりながら(おばか) 読み切ってしまってた憑神の感想です。 正直結構忘れています。 映画版とはテーマがまるっきり違う気がしました。 というか映画の方は”憑神”とのコミカルな交流を主眼において エンデイングでいきなり”武士”のありかたというのを クローズアップし「なにそれ?」状態だったような気が 原作での彦四郎は やさしくはありますが 常に”武士”としての潔さ、あり方に心を砕いている人かと 貧乏神の宿かえで貧乏にしてしまった舅や これも同じく疫病神の宿かえで 病気になってしまった兄に対しても 「すまない」という気持ちは持ちながら ”武士”の生き様には 堪え難いという考えは根底からゆるぎません。 だからこそ死神の宿かえには断固として 拒否する姿勢がいきてきます。 憑神達との交流でも死神との絆がいちばん深く描かれます。 文武に秀でながら 時と廻りにめぐまれない まさしく時を違えて 生まれてきてしまった彦四郎の 自分でも 愚か! 時代遅れ! と知っていながら 200年以上の太平の世の中にあっても 色あせることをしらない ”武士の誇り” こそが 表題の 彦四郎に取り憑いている ”憑神”ではないかと思いました。 ただ、私の視野では 映画化があったからこそ手を伸ばすことができたものだと痛感しました。 良い作品だとは思いますが 地味 という感じも、、、 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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