664171 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

Lake Moraine ~Book Cafe~

Lake Moraine ~Book Cafe~

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カレンダー

日記/記事の投稿

カテゴリ

2008.07.19
XML

幼い頃から芝居や映画に熱中し、長じては新国劇などの
脚本・演出を数多く手がけ、また人気作家としての多忙な日々にも試写会通いをつづけた著者が、心から愛した名画・名優・
名舞台への想いやさまざまな人生模様を描く。初収録エッセイも加えたベストセレクション。


学生時代に読んだ池波氏の映画に関するエッセイが
とってもわかりやすく、
映画を見る楽しみ方も教授され
一歩も二歩も 大人の気分になったのをいまだに
記憶している私 

たとえば
 ロバート・レッドフォード主演
「華麗なるギャッツビー」で主人公であるギャッツビーは
映画のオープニングからいったい何分後に
(たしか20分後以上後とか)登場したとか 
 その遅い登場にいたるまでに主人公への興味をどのように
盛り上げていったかの解説やら

 京マチコ主演の映画で濡れ場をみせなくても 
足の先で 開いている襖をしめることで 
いかに男に関して手練かを表現するとか

見ていない映画にすら、鮮烈な印象や関心
をあたえたそのエッセイが
懐かしてく手に取ったのが これ



ただ お話の比重が著者の子供時代や戦後、
ご自身が脚本・演出家として身をおかれた
新国劇などのお芝居の世界が多くちょっと
「よく分からん」状態がありました。


ですが 前半の各新聞によせた「日記から」は
毎回テーマとなる作品やら役者のエピソードを
文庫版、きっちり半ページに 
まさしく起・承・転・結 と簡潔にまとめられていて
その作品、役者の逸話にぐいぐい引込まれてしまいます。

また文章で 舞台よろしく ”見栄を切る” 表現の
歯切れの良さを堪能しつつ
 自分の読解力のなさや表現の乏しさにため息がつき
「すみません! 顔洗ってもう少し修行して 
まだ出直してきます」という 襟を正す気分にもなりました。

(でもアニメと漫画に走って行く自分が~、、、)
 なんでもバランス良く 多量に接していきたいんですが、、
 好みに走ってしまうんですよ、、、、


このエッセイ集のなかの「新しき世界」で池波氏は
戦後の戦火に焼け果てた東京で 絶望感におそわれた日々のなか
芝居を観た時の感激をこう記してします。

「食べる物も、着るものも、落ち着いて眠る場所もない
明け暮れではあったが、舞台の活気にふれたときは、
まだ若かった自分の心身にひそむ
 "ちから"を信じることができたのである。

この終戦の年の数ヶ月に観た、いくつかの舞台がなかったら、
おそらく私は、劇作家としての一歩を踏み出すことに
              おもいおよばなかったろう」

 
極上のエンターティメントは 極限の状態にあって
なおかつ 人の心に潤い、希望、力を与えていくもの
なのかもしれません。




【著者情報】(「BOOK」データベースより)

池波正太郎(イケナミショウタロウ)
1923年、東京生まれ。46年、「雪晴れ」で読売新聞社の演劇文化賞に入選。その後、
長谷川伸の門下に入り、新国劇の脚本・演出を担当。また、時代小説も発表する。
60年「錯乱」で直木賞、77年「鬼平犯科帳」その他により吉川英治文学賞、
88年菊池寛賞を受賞。90年5月、死去






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.07.19 15:14:20
コメント(6) | コメントを書く
[本の感想 作家別-あ行] カテゴリの最新記事


コメント新着

Lake Moraine@ Re[1]:北海道マラソン! お疲れ様でした!(08/28) ふゆゆんさんへ こちらにもコメントあり…
Lake Moraine@ ♪ ふゆゆんさんへ ♪ こんにちわ! コメントありがとうござい…
ふゆゆん@ Re:相方はっぴ〜バ〜〜〜スデー!(07/23) 今年も元気に美味しいケーキのお誕生日、 …

フリーページ

お気に入りブログ

叔母用 New! ふゆゆんさん

『石灰工場』買 shovさん

かんかん橋をわたっ… 風竜胆さん

海がみえる窓辺 marin0403さん
行きかふ人も又 はる **さん

サイド自由欄

読了本と積読本の整理用ブクログ

ブクログ

Lakemoraine Book Shelf


© Rakuten Group, Inc.
X