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カテゴリ:本の感想 作家別-あ行
寝る直前に ちびりちびりと読み進めていた
伊坂幸太郎作 死神の精度 前半はスローペースで読むので十分だったのですが 後半になると やはりというか もう面白くって コーヒーショップに入って 一気に読んでしまいました。 そして 読み終わるとおもわず 「おのれー どうしてこんなに話の運びがうまいの」と 心のうちで 叫んでおりました。 ~あらすじ~ CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。 【目次】 死神の精度/死神と藤田/吹雪に死神/ 恋愛で死神/旅路を死神/死神対老女 主人公は死神 監査部なるものから 調査対象の人間の情報を受け取り 一週間の間 その人間と接触を持ち 「可」→死をみとどけるか 死の「見送り」の報告をするのが 仕事 調査対象に対しての思い入れ、嫌悪、など感情移入は皆無 興味のあること ジャンルを問わず”ミュージック”を聞くこと 死神が狂言廻しとして 調査対象の人間とともにする短い時が短編として 綴られますが アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」への オマージュと思われる一遍もあれば 調査対象の死亡から始まる倒叙形式もあったり ハードボイルドだったり などなど 様々な技法の短編ミステリーが味わえると同時に 死神が人の”死”を見届ける話でありながら しめっぽいものとはならず むしろ”生きている”ことの 喜び、素晴らしさが ひしひしと伝わってきて 同時に自分自身が今”生きて” 今作品を読んでいる ことに 心が浮き立ってきます。 伊坂作品の醍醐味は これだな!と一人ご満悦でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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