カテゴリ:住まいの設計
住宅の設計をしていると、車庫(カーポート)の設置を計画することがあるのですが、これがなかなか適法のものが無いんです。
カーポートの設置に気をつけなきゃいけない法律の内容は、屋根と構造です。屋根は不燃を求められる場所だと鉄板など燃えない材料が求められます。鉄は法律で不燃と明記されているのでいいのですが、ポリカーボネートなどの樹脂の場合は不燃の認定を取っている必要があります。 で、カーポート用のポリカ屋根の全部が全部不燃と言う訳ではないので、設計図書に不燃認定のポリカを指定します。役所に書類を出すときも、メーカーから認定書を取り寄せて添付します。 こういった添付図書の類が昨今報道されている建築基準法の改正によるもので、手間や作業量が増えて迷惑してます。(笑)今までは役所は建築士を信じて、建築士は工務店を信じて、工務店は下請けを信じて、お互いの信頼関係の中で家を作ってきたのですが、例の姉歯事件以来、誰がどこでいい加減なことをするか判らないと言うことで、お互いの保身のために(^^;)確認しあう図面が多くなったと言うわけです。 話がそれました。書類の話ではなく実際のカーポートの設置なんですが、屋根の件は(工務店を信頼するなら)不燃ポリカを指定すればその通り屋根に使ってくれるので話は簡単。問題は構造のほうなんです。 スチール(鉄)製のカーポートはOKですが、アルミ製のカーポートは、適法のものが少ないのです。これはアルミと言う素材が構造材料として認められたのが最近のことだからです。 もう少し正確に言うとこれまでも国土交通省大臣(建設省大臣)の認定を受ければアルミを構造材料にしても良かったのですが、カーポートや自転車置き場のような廉価で多種な商品で認定をいちいち取ってるとお金が掛かってしょうがないのでそんな商品がなかったのです。 それが最近、国土交通省告示と言う建築基準法を補足する法律が出て、これを満たせばいちいちお金を掛けて認定を取らなくても良いことになりました。これによってやっと最近になって法に違反しないアルミ製カーポートなりアルミ製自転車置き場が登場した、と言うことになります。 この告示(408号、409号、410号)では、アルミ柱の厚さや面積の規定、接合部の規定などが示されています。今までアルミカーポートをうやむやに扱ってきた行政が基準を作ったことで、メーカーも合法な商品が出せるようになったのですが、メーカーも適法商品をあまり出していません。分厚いカタログの中のほんの一握りの商品のみ適法で、メーカーによってはカタログでは読み取れず、問い合わせなければ判らない状況です。 これでは安心してお客様にお勧めできないので、情報収集をしているところです。行政も無責任だけど、メーカーさんもせっかく法律が整備されたんだから適法な商品だけでラインナップを構成して欲しいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年02月24日 10時22分16秒
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