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高齢化やスポーツ人口の増大などによる骨折や食生活の変化に伴う若年層におけるカルシウム不足等で世代を超えた広がりを見せ骨折患者が増加しているというが、『　島根大学医農工連携分野講師の森隆治氏らのグループは、患者自身の骨を用いて、骨折治療に必要なスクリュー（ねじ）を手術室内で加工する技術を開発した。9月27～29日に東京・国際フォーラムで開催されたイノベーション・ジャパン2005で発表された。』 [Nikkeibp2005年10月04日掲載]

骨折治療の場合、折れた骨を固定するために金属や生体吸収性素材で作ったスクリューが使われ以下のような欠点があげられていた。

■通常は治療１年後にスクリューを抜き取るための再手術が必要となる。
■金属製スクリューは、異物反応のために時間の経過とともに緩み、緩んだスクリューが対面する関節を破壊したり、抜いた後に再骨折したりする欠点がある。
■一方、生体吸収性素材で作ったスクリューは、長時間にわたり遺残したり周囲に反応性の炎症を起こしたりする欠点がある。
■折れた部位に合わせて多くの種類のスクリューが必要になるため、病院にとっては多数の在庫を抱えなければならない。
■こうしたスクリューの多くは外国製で高価なため、病院経営に与える影響も少なからずある。

今回開発されたのは、

■　患者からピーナツ大の骨を取り出し、スクリューに加工する技術。
■　患部の画像データから、スクリューの大きさやねじ山の高さなどを割り出し、テイラーメードのスクリューを作る。
■　加工する機械（マイクロファクトリー）は手術室内で使える大きさ（B4サイズ）で、医療従事者でも簡単に操作できる。

この技術開発により

■　自分自身の骨を使うため、患部が正常な骨に置き替わり、手術は１回で済む。
■　感染や異物反応を心配する必要もない。
■「従来治療が困難だった、関節内の小さな骨折には、この方法で作った“自家製”スクリューが有望」という。

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