記憶の空腹ホルモンと食欲抑制ホルモン

March 19, 2006

Ghrelin & obestatin

昨年の11月に食欲を抑制する作用のあるホルモンを米スタンフォード大のチームがラットの胃で発見、「オブスタチン」（obestatin）と名付け、の米科学誌サイエンスで発表しています。

この食欲を抑制する作用のあるホルモン「オブスタチン」は、1999年に日本の研究チームによって、正反対の作用のある、食欲を増進するホルモンである｢グレリン｣(ghrelin)から発見されたものです。

今回、雑誌「ニューロサイエンス」（Nature Neuroscience ）のオンライン版で
｢お腹が空くと頭が冴えて、脳の働きが良くなることがある｣と提唱しているが、これに「空腹ホルモン」「グレリン」が関係しているという。

グレリンは、おなかが空になると消化管内でつくられ、血流に放出される。それが脳に運ばれて、食欲を刺激する。

同博士らは、グレリンをつくる遺伝子を欠いたマウスを、遺伝子工学の手法で作成してみた。その結果、グレリンを作れないマウスは脳内の海馬部分にある神経細胞が結合している部分の数が、正常なマウスより２５％少ないことがわかった。
そこで、研究者たちは正常なマウスの脳の海馬の部分に、グレリンを注入してやった。すると、神経細胞の結合部分の数が増えることが確認された。

記憶力増強にはグレリン注射、食欲抑制には同じ遺伝子から分離したタンパク質「オブスタチン」ですか・・・。