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カテゴリ:【セミフィクション】無頼控え外伝
反抗している最近冷たいけど本当は優しい母さんのリクエストで
スリランカの大臣と“仲良く飲んだ”話を書きます これを書いたら 加藤英雄の正体がばれそうな気がしますが・・・ ****** 1997年の秋 俺は石垣島に居た kenちゃん(やはり事件に絡む登場回数が多い)と一緒だ アジア中の文化交流会が石垣島で行われる事にあわせて 俺たちはチームを組んで支援に行った 野田さん、矢米さん、東ちゃん・・・元気かな イメージ 支援内容というのがインターネットで全世界ライブ中継をする事で 当時は今のようにブロードバンドの時代ではなく 今のように当たり前にインターネットライブ中継はできなかったが 俺達のチームはその先駆けだったので最もノウハウを持っていたのだ で、白羽の矢が立った 俺は 「テレビもラジオも本も何でもかんでも俺がまとめてやる」 という気持ちでインターネット社会を渡っており 当時は映像ライブは世界でも珍しかったので 国際交流となればもはや世界のど真ん中に行く気分だった 「世界のど真ん中の日本人で行こう」 当時のチームは特攻野郎A(浅草)チームと呼ばれ 浅草中川学校とも呼ばれ とにかく男気ならぬ、“オタク気”と云う言葉をスローガンに(俺は反対したが) やっていた(俺は反対したが) 調達されたホテルにつくと アジア中の人達が居た 「あの可愛い子達は韓国ですね」 kenちゃんだ 「こちらは日本の和太鼓チームだね」 野田さんだ しかし、1人 俺を見ている巨大な男がいた 俺たちは睨み合い、そして互いに挨拶をした 「知っている人ですか」 kenちゃんが聞いてきた 知っているわけないじゃないか どう見ても外国の人だぞ 「知らない人だけど。何かさっきからやたら目に付くんだよ」 「似てますよね、sugaさんと 確かにサーカスの団長のようなインチキ髭を生やした俺のようだ 思ったより、ずっとでかいイベントだったが 野外のステージは突然の雨でスピーカが放電する始末 バチバチバチバチ カッコいい~ 俺ははその火花を美しいと思った などと思ったのは不謹慎で とにかく出演者もスタッフも緊急避難 イベントの主催も雨を考えていたなかったようで 皆で近くの会館に入ってがっかり 俺は俺で石垣島まで来てイベントが失敗なんて 頭にきてしようがなかった なので、仕切らせて貰った インチキ英語で 側に居た子供に 「始めちゃえ」 と言うと その子供は前奏を始めた するとその団体全体に広まり 曲が終わると俺の顔を皆見ているので 「次やれ、次だ。そこだ」 と次々指名しては演奏を続けた 皆演奏が終わって、もうホテルのパーティ会場へ直行 そしてパーティが始まった 俺は適当な英語で各テーブルを回っていたが 韓国チームのお嬢さんが日本語を勉強しているというので 特攻野郎達を呼んだ 「Kenちゃん達、こっち来いよ。このお嬢さん達日本語分かるぞ」 綺麗で明るく可愛かった 矢米さんなどは最初から最後まで彼女達と一緒だった 「年寄りが勝手に垣根をつくっているんだなあ この子は日本語の勉強をしているんだよ」 俺がそう言うと 「マスコミもこういうことを取り上げないと ただ揉めていることだけ取り上げちゃ駄目ですよね」 kenちゃんもしんみり言った その後に 「あっ、sugaさん。あの大きな人、sugaさんをずっと見てますよ」 「そうだね。そろそろいかなきゃ」 俺はなぜか“いかなきゃ”と思った 「怖そうですよ」 「なんで国際文化交流に怖い人がいるんだよ」 俺は構わずにビールを持って彼に近づいた “Nice to meet you. My name is スリーセブンスガ” “Nice to meet you, too, スガ. I am Ashita” “Good. Ashita san(ここはブラックレインにかぶれていた). You drink” 俺はビールを差し出した 彼も受け取り注ぎ返した “Past time I heard Ashita was tomorrow in Japanese” (前に私はアシタというのは日本語で明日と云う事だと聞いた) “Yes, Tomorrow is written ‘bright day’ in Japanese” (その通り。明日は明るい日と書くのよと云う歌もある、日本では) “Great! ” (素晴らしい) “Ashita san. You have a great body, and me too” (アシタさん、あんたいい体してんな~。俺もだけどね) “Yes. I am wrestler” (おう。俺はレスラーだからな) 俺たちは腹を殴ってはビールを飲み 飲んでは腹を殴る 男同士の飲み会をした ビールが何本並んだだろう 腹も少々痛くなってきた 彼も少々苦しそうだ しかし俺たちは止めない その時主催スタッフが飛んできた Kenちゃんたち(矢米さん除く)も何事かという顔をして駆け寄ってきた 俺たち2人は良い気分だ 「ス、ス、ス、sugaさん その人はスリランカの大臣ですよ」 スタッフの言葉に驚く特攻野郎Aチーム(矢米さん除き 「おおっ。大臣さんか 日本の大臣にもこの位のごつさは欲しいよなあ」 俺は関心した 日本の大臣で俺と殴りあえる奴はいるのだろうか その時から通訳がついた 「sugaさん。Ashitaさんは、大臣だからといって特別に扱わないでと行っています」 と綺麗な通訳の彼女が言った 「ああ、しないよ。ところで君は彼氏が居るのかね 東京でデートしない・・・じゃなくて、 ところでスリランカはどういう国ですか」 俺は自制心を持って彼女に接した しばらく話をしていると、急に通訳の女の子が俺にもたれてきた アシタさんの話がきつすぎたのだ 俺にも分かるように彼は話してくれているのだから無理しなくても良かったのに 「いいんだよ。通訳なしでも大丈夫だ。少し座って休んでいればいい 気分が良くなってから戻っておいで」 俺は彼女を椅子に座らせて 彼とじっくり話をした イスラムの虎というのがテロを行っているとのこと それでAshitaさんの一族はよく暗殺されているということ 「朝、従兄弟が食事に来ました。そして昼に再会した時は上半身だけでした」 「何でだよ」 地雷からは逃げられません。どんなに防弾していた車でも」 がははと笑うAshitaさん 「笑う話じゃないだろう」 俺は笑えないぞ 「私たちの一族は誰かが大統領になり、そして必ず暗殺されます 次は私かもしれません」 「う~む」 そう、Ashitaさんがその暗殺の残酷さを俺に伝えようとした場面で 彼女の具合が悪くなったというタイミングだった 俺の隣には、先ほど俺に“始めちゃえ”と言われた子供が居た 俺は彼にジュースを注いでやっては肉をとってやっていた アシタさんのスリランカチームの子供だったのだ その子供のはにかむ姿を見ていると 俺の闘争心に火がついた イスラムの虎?ヒンズー教? 馬鹿言うんじゃない 俺は無頼漢だ 本気の俺を止めることなど誰もできない 「子供達は関係ないだろう」 俺は恫喝した 「それは分かっている」 アシタさん 実は本当に辛そうに話していたのだ 「大体生まれたときに、 『君はイスラムでもヒンズーでもない、スリランカの国民だ』って教えれば、 50年後は宗教での殺し合いはないぞ」 「分かっている。宗教で人が殺しあうのは悲しい」 「なぜできない」 「宗教は大変なんだ」 「日本人は乗り越えた」 「我々は未だにできない」 「どうせ暗殺されるのだろう 思い切って宗教を捨てて殺し合いは止めようって言ったらいいじゃないか 今日のスリランカチームの子供達の笑顔を続けさせるのがあんたの仕事だろう」 俺は畳み掛けた 死人となれ 「死んでしまってから自分の仕事をするんだ、アシタさん それが聖者アシタの名を持つ一族の使命だろう」 俺は言った 「そうだな。そうだよ。私はどうせ暗殺されるのだから」 急に彼は明るくなった。 「俺にできることはあるか。金も権力もないが」 「応援していてくれ。次は私が大統領になる 君風に言えば、暗殺される順番だ。精一杯死のうじゃないか」 実はこの少し前から通訳の彼女が戻った 彼女無しではこの難しい話は出来なかったし 彼女も熱血になっていた 俺の言葉を借りて随分自分の意見を言っていた (俺の台詞より明らかに長いって、その英語) 「そうか。分かった」 俺は物凄くいい気分になった 俺たちの話が終わらないのでパーティはなかなか終わらなかったが、 スタッフが来て話を中断した アシタさんと俺たちは別棟だったが、その連絡通路まで俺たちは一緒だった そしてまたいっぱい話をした 「頑張れよ、アシタさん」 俺たちは別れた 翌朝 朝食は俺の大好きなホテルの朝食バイキング 通訳の彼女が俺たちの席に来た 「sugaさん(おおっ、名前覚えてくれたんだ) アシタさん、二日酔いだそうでうよ」 俺は笑った 「俺の勝ちだな。な、kenちゃん」 「何ですか、あんたの勝負って」 kenちゃんも笑っていた お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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