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2007/03/12
カテゴリ：【セミフィクション】無頼控え外伝
HERO'Sを観ていると
とても恐ろしい こんなのと喧嘩になったら大変だ だがこいつら、 あんまり俺とでかさが変わらない 筋肉軽いんじゃないか ******* 「ヒクソン・グレーシーってすっげーよな」 「４００戦無敗（喧嘩込み）だってよ」 「そんなのあるかい」 そんな会話が始まりかけた時代だ 今のスターたちが小学生だったり生まれたばかりの頃 猪木の異種格闘技戦も下火になり ＵＷＦが立ち上がったり沈んだり 俺たちは会社の女の子達にせがまれて オカマバーに向かった 久々に戻って来たこの街 少々元気はなくなったが 歩けば 「おっす」 「お疲れ様です」 と、見知らぬ人達に挨拶される 俺も暢気なものだから挨拶をし返すが 「知っている人か」  と友人に言われても分からない 「ヤクザだろう。なっ」 「知らない人だよ 青年会議所の人じゃないのか  この間飲んだし、今度市会議員になるとかって集まりで」 「お前。さっきから会う人達って どう見ても青年会議所じゃないだろう」  友人の川上と藤原が次々絡んでくる 「煩いなあ。じゃ、商工会議所の人だ」 「しょ、商工会議所って」  藤原だったか川上だったか オカマバーは不思議な世界だ  俺はいつもソドムとゴモラの話を思い出す （何の繋がりもないのだが） しかも妙にムラムラくる 「sugaさん。この世で一番強いのはオカマよ」  ママが話しかけてきた 「へえ～。でも皆痩せてて綺麗じゃない 力はなさそうだけど」 俺は皆を一通り眺めて言った １人を除き皆綺麗なのだ 「オカマはね。女のヒステリーと男の腕力を持っているの。ふふふ どう思う」 「それは凄い」  日常的に切れる事ができるのだな 「それにね。頭にきたら敵の会社に行って 大騒ぎしてやるわ。一巻の終わり」 「それはヒドイ」 俺たちは大笑いだ 「ね。こっちの子達とどういう関係。恋人？」 No1の圭子ちゃんは俺達貧乏人にはつかないが 結構話しかけてくる 「会社の同僚だ」 「ふ～ん。良いわね この天然モノ」  うちの女の子達はいきなり怒られたので俺を見た 「なになに？なんなの」 「いや。つまり君らは天然モノで彼女らは養殖モノ・・・ということかな」 圭子ちゃんは席を立って俺の背中を叩くと 「私たちは人工物なのよ」 俺が何をしたというんだ さすがに女のヒステリーと男の腕力だ が、俺の背中をあの勢いで叩いたら 素人は余程手が痛いだろう  次から圭子ちゃんは少し叩く手の力を弱めた というか、うろうろする度にいちいち叩きにくるなよ 楽しいひと時も終わり 「さて、帰るか」 俺が先に階段を上がると イギリスから来たというオカマがお客さんを送っていったところだった このオカマ、ジャッキーと云うが 俺がトイレに行くと トイレの横が着替えの控え室になっているのだが いゆも俺にオッパイを見せてサービスしてくれる 「じゃあな。ジャッキー」 俺がそう言うと 「ダーリン」 と言うが早いか 抱きついてきた だけならまだ俺の方が力があるが 頭をムエタイの首相撲の要領で抑えて キスをして来た だけならまだ俺の方が力があるが 舌を入れてきた だけなら・・・ あっ、そこはいかん 俺は倒れた 「あーーーっ、suga。何やってるんだ」 トイレに寄って遅れてきた川上だ 「ブワヵ、ビャヤフ、ミャミュミュミュミュ」（馬鹿、早く、助け・・・） 「sugaさん、ひどい」 誰の声だ？ 「ふー」 というジャッキーの声とともに 俺にかかる重量がなくなった 「ファンタスティック。テイスティ」 俺は何とか片膝をつき 「て、手前。ジャッキー、何するんだ」 まだ足に力が入らない 彼女は"バーイ、ダーリン"と言って階段を降りて行った 藤原が 「どうしたんだ」 と聞いてきた 「いきなり抱きつかれて、、、し、し、舌入れやがった」 「sugaさん。何やっているのよ、こんなところで」  連れの彼女だ 「何やっているって。だから襲われたんだって」 「早く立ちなさいよ、だらしない」 俺は川上の手を借りて立ち上がった 「suga」  口紅をぬぐっている俺に 川上が俺の服から泥を落としてしんみりした声で言った 「俺、お前がこの街で倒されたの初めて見たぞ」 「あっ」 「あっ」 これは俺と藤原だ 「お前、もしや初めて負けたんじゃないか」 川上が冷静に言う 「そう、なるかな」 俺もあせった 「言われてみれば、倒れた事もなかったな」 確かにそうだ 俺に膝をつかせるのは難しいと言われていた 「しかもオカマにな」 「外人のなあ」 俺だ 「舌を入れられてな」 川上、それ以上言うな 「いや、最後は足払いと反則技が入った」 「街の喧嘩に反則技はないだろう だが、どんな技だ」 奴は知っている 「言えん」 「気持ち良かったんだな」 「言えん」  「体は正直だな」 「いや、嘘つきだ」 「お前、１００戦９９勝１敗 相手は外人のオカマ  決め技はディープ・キス 」「・・・・・・」 「・・・・」 「・・・」 フェード･アウト お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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