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カテゴリ:ミステリーハンター
そりゃあ、盛岡に来たばかりよりはマシだが腰が痛い。
今日最低限の予定で何か一つ止めなければならず、それを散髪にした。 痛みと湿度に負けてウトウトしていると(多分失神)、マーケティングの師匠から電話があり 「明日盛岡につくから夜飲もう」と連絡があった。 おっと閉まるじゃないか。良い時間に電話をくれた。 永福寺は16時までなのだ。15時半だった。御札が切れていたのだ。 途中で紅茶花伝を買って永福寺に寄る。お聖天さんは甘いものが好きらしい。 俺は道教の道士や陰陽師に近い。 効けば良いのだ、と現実を超えた不思議に対して永福寺に頼る。 何時ものように無作法に祈祷所にズカズカ入ると御札がないので 管理人の尼さんを呼ぼうとしたら出てきた。 「ありますよ。ほら沢山。さっき無いのを確認して置いたのですから」 「あれ?本当だ」 俺は12枚入手した 「お体、大丈夫なんですか」 「俺じゃないんだよ・・実は」 盛岡に来てから随分霊的な話題が増えた事、 精神的、身体的なことなら心療内科や東洋医療を紹介できるが それを超えてどうにも不思議な事は何ともできず、俺自体も身体が辛くなる事・・・ 「悪霊ハンターに間違われる事も、最近は減ったがまだあってね」 「あははは。そんな感じがしますね」 なぜかウケた。 「するかね。それにしても盛岡は多い。霊的に不幸な人が変に多い。 それが当たり前だと思っているから怖い」 「そんなに多いのですか」 「だから俺が危ないと思う時には、勝手にここを紹介しているんです」 「どうぞどうぞ。幾らでも紹介してください。 ここで手を合わせるだけでも楽になるはずです」 霊障というのは現在の事でもあるのだが、前世の因縁もあるのだと言う。 それはテレビや本で知識はあったが、 如何わしい人も多いので迂闊には普通の人は近寄れない。 その点、ここは単純でしかも“安い”。 御札3枚500円だし、しかもいつも俺はお礼(れい)や供物はジュース一本だ。 (お聖天様の性格から言うと危ういかな) 「ところで人を助けようとするあなたも変わってる」 「ある程度はなんとかなりそうだけど、難しいこともある。 俺は宗教観はないけどね、この御札が効くのが分かって随分助かった」 「随分突然な仏縁ですが、それはとても自然な事です」 で、名前を書かされた。 「あなたを守ってもらうようにお願いしますからね。あなたは、皆の幸せを祈ってください」 と、突然の入門だ(俺の肉体というよりは精神のね)。 「あなたが具合が悪くなるのは、仏様よりあなた自身が偉くなっている状態なんですよ」 「おおっ」 何故か俺は意味が分かった。 「そういう状態は合わないんでしょうねえ」 さて、色々話をしている中で 「盛岡に来て良い事はありましたか」 と訊かれた。 「悪いのは2/3で良かったのが1/3かな。身体は酷かった。もう死んだ方がマシなくらい。 だけど、それまで縁の無かった気功や中国拳法、東洋医療・思想に神仏関係など、 内面的な造詣が深くなったかな」 拍手された。 「素晴らしい。あなたは見かけとは随分違うようです」 「ん?」 「物欲が一つも入っていない。これはね、あなたの人生の方向は決まっていますよ。 そのために盛岡に来たのですからね」 「どういう風に?もう人生の後半戦も随分過ぎているのに?」 「あははは、気が早い。さ、お聖天様にお願いしなさい、思った通りに」 俺は思ったとおり、皆の幸せを祈った。 (追記) Nスペをみた。もう現実感はない。漫画の世界かと思うくらいだ。 永福寺の、お聖天様の「万民の困難を救わん」という請願に守られた この不思議な結界の中の方が、余程現実感がある。 無力な自分に、唯一現実感を与えてくれる場所でもある。 「私の名は“蝶”! 完璧ならざる世界に戦いを挑む、君の友人である!!」 この覇道を選ぶかどうかだが、永福寺がとどめていてくれる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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