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テーマ:介護・看護・喪失(5287)
カテゴリ:水頭症(シャント再手術)
世の中ではあっと驚くような出来事や、相変わらず嫌な事件も多いけれど、トマ女さんは順調に回復期リハ病棟になじみ、笑顔もたくさん出るようになってきている。
いまのところPT、OT、STともに各2コマ(40分)ずつですが、なにせ行動がとてもゆっくりなので、リハビリの時間はあっという間に終わってしまうことも少なくない。とはいえ、この回復期リハ病棟のいいところは、リハビリ以外の時間も基本的には起きて、自由に行動していいことだ。自主トレで歩行練習する人、塗り絵をする人、利き手でない手での書字練習する人、ボーっとテレビを見る人など、皆さんマイペースで過ごされ、看護師さんやケアワーカーさんたちはそれを見守っている。 とはいえ、トマ女さんはあまり「自発的意欲」というものは自分ひとりでは発揮できないので、食堂のテーブルに車椅子で座って、テレビを見るか、うとうとしていることが多いのだけれど でもおしゃべりを始めれば、私が去年の夏にも着ていたブラウスを着ていったら、当時の回復期リハ病院でのトイレ介助の時、便器を撫でてしまいそうだからと、その紐を内側に入れたことを覚えていて話し出した。あら、びっくり もう一つは、一人でいるときも少し積極的にできないかと思い、図書コーナーにある本でトマ女さんも楽しめそうな本を借りてきて、一緒に読み始めた。すると今度は、「鶴見和子さんの本を苦労して読んだわよ」とこれもまた1年前のこと。 その頃、外出申請への記名や、新聞などでトマ女さんが結構読めることが分かったので、脳出血で倒れながらもリハビリに励み、口述による執筆活動をづづけられた鶴見和子先生が、生の意欲を取り戻したのは、女性らしく身だしなみを整え、おしゃれをすることを再開したことでもあるといったようなことを書かれていた本、「回生を生きる」を貸したことがあった。 トマ女さんが読んだのは、その中の数十ページに過ぎないけれど、同じ女性であり、トマ女さんが尊敬する鶴見和子先生が闘う姿を、一生懸命読んだことも、ちゃんと覚えていたのだ! 「だからきれいにしようね」と、私がお見舞いに行ったときには、眉と口紅を自分で引く練習も始めたのだった。最初は左側の眉など、半分も描けなかったのが、数ヵ月後には一人で全部できるようになっていたっけ。これもまた再度練習することになるのだろうけど…。 ま、あせらず、少しずつ取り組んでいこう。 1年前のこの頃には、鶴見先生は亡くなられてしまったのだけど、とてもそれをトマ女さんには言えなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.14 10:10:25
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