トマ女さんに会いに行ってみると、見知らぬ患者家族の女性からのご挨拶を受けた。私は初対面だったが、急性期の病院で何日間か同室になった患者さんのご家族で、トマ吉さんを見て気づいたのだそうだ。考えてみれば同じ市内なのだから、同じ病院に転院される患者さんもめずらしくはないのだろう。
もともとの病気は脳外科ではなく神経内科のようだが、その後入院中に十二指腸潰瘍になってしまい、集中治療室に逆戻りをして、一般病棟に戻ったとき同室になったのだという。鼻からの経管栄養がまだ抜けず、左片麻痺もあるのだそうだ。でも85歳という年齢を伺えば、多少お肌のシミは多いかなと思う程度で、肌つやもあり、しっかりとした体つきをされている。
回復期リハ病棟では、女性はトマ女さんより年長の患者さんが少なくない。食事が自分でとれ、片麻痺はない70台前半のトマ女さんは、「若いからもっとよくなるわよ」と羨ましがられ、励まされることも少なくない。勿論、患者さんはそれぞれ様々な問題を抱えており、家族としても、明らかに自分の家族よりも病状が深刻な方以外は、よその方のほうがいいのではないかといった見方をしてしまいがち。そうした実情はさておき、家族の回復を思う気持ちをこうして多少でも共有し、言葉をかけあったりすることだけでも、互いの励ましにもなるのだと思う。
私も同じ病棟の入院患者の方々で顔見知りなった方が何人もいるので、会釈とか、ひと言二言の言葉かけくらいは、心がけるように自然となっている。
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Last updated
2007.10.03 14:36:07
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