|
テーマ:介護・看護・喪失(5317)
カテゴリ:介護医療関係
「総合診療医ドクターG」のNHK総合での放送が始まっている。BSでのパイロット版を何度か見て、結構面白かった。以前は確か30分だったのが、45分になり、結論に至るまでの説明がもう少し丁寧になった一方、今日の放送ではゲストの全く無意味なコメントを放送する無駄もあった。
注目したのは指導教官役の林寛之先生。救命救急のプロとして厳しい状況に日々対応しながらも、さわやかで柔軟な人柄が感じられた。 今日のお題は「肩こりと吐き気」。場合によってはくも膜下出血の可能性もあるかと思ったのが見始めた理由。トマ女さんも発症の前に頭痛とひどい肩こりを1週間以上うったえていたというし、いろんな人の事例を調べると、「何かで殴られたような衝撃的な頭痛」というのは、動脈瘤が大きく破裂したときの症状で、その前にいつにもない頭痛や肩こりが前兆のようにあったという方が少なくないという。後遺症も殆どなく生還した人たちは、この頭痛や肩こりの段階で受診し、くも膜下であることが分かったということが多い。 番組では肩こりと吐き気以外の症状もだんだんと明らかにされ、途中診断を出し、可能性のある病名をリストアップして、症状を総合的に見て消し込みを行なっていく。 症状の改善と悪化、温度や痛みの感覚異常、症状の左右の偏り、歩行障害などから、頸の血管が何らかの原因で一時的に詰まる症状を起こしていたと最終診断が下された。 ここまでも、診断を出す研修医やゲストのコメントを、全て前向きに褒めて引き出すコミュニケーションが見事でしたが、最後に付け加えたひと言がさすがと言うしかない。 メモしてたわけではないので大体ですが、「手を尽くしても亡くなられる患者さんはいます。そうした方の家族は、大きなショックを受け、別の病院なら助かったのではないかなど、医師や病院を責める気持ちも持たれます。でも、朝出かけたときは元気だったわけですから、家族が事実を受けとめられないのもあたりまえです。そうしたご家族を、新たな患者さんとして受けとめるだけの度量が、医師には必要とされます。」というような内容。 司会者も「そうか、お医者さんも感謝されるばかりではなくて、そういうこともあって…大変ですね。」と言っていたけれど、考えてみればなくなるケースも当然あるわけです。 救急医療現場では、まさに数時間前には何ともなかった人が、救急車で運ばれるということが殆どでしょう。林先生もショックを受けたご家族に対峙する経験を、人一倍多くされてきているからこその、上のひと言と思われます。 それはとりもなおさず、患者さんときちんと向き合い、日常生活や、患者本人も見逃しかねない様々な兆候を、問診を通して紐解いていくという姿勢があるからこそ、その患者の家族にも同様に向き合えるということでも言えるのではないだろうか。 患者としても、病気と関係がないかもしれないと思うようなエピソードも申告することで、正しい診断に一歩近づくことができるわけだが、そういうコミュニケーションのとれる林先生のようなドクターGは、この近くにいないだろうか? そしてもし、言葉を発することができない患者を診ることになり、コミュニケーションが難しいと判断されたならば、日々接している家族の協力を率直に求めることがもっとあってもいいのではないだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.08.07 07:56:20
コメント(0) | コメントを書く
[介護医療関係] カテゴリの最新記事
|