新着記事一覧 | 完熟トマトの介護＆リハビリ生活

老健（10ヵ月半～16ヶ月目）

医師からは「自宅も可能では」と言われたものの、冬は暖かい施設がよいと老健に入所。移動は姉一家の乗用車に普通に乗込んでドライブ気分で。居室フロアでは全て手引き誘導となり、車椅子を使わない生活に。反面、ふっと立ち上がっては転倒を繰り返すことに。幸い大事には至らず、スタッフの方々の協力で手すり設置、声かけなどで転倒回避の工夫を積み重ねる。食事は初日から「一口」大の「柔らかご飯」を箸で上手に食べ始める（病院ではスプーン・フォーク）。トイレも自室にあり、夜中にも誘導してもらえることに。リハビリ：週3回のOT/PT（4ヶ月目以降は週2回）途中休憩込みで各1時間リハビリ室への往復から手引きまたは自立歩行で始まり、1フロア分階段を上ってフィニッシュ。自宅での動作にあわせて、布団での起き上がり、風呂場での動作なども。レクリエーション：歌・朗読会（不定期）、陶芸教室（週1）、華道（月1）等声が小さいため、他の入所者との会話も難しかったが、少しずつ改善されていき、積極性も出てくる。トイレ：自分から行くことは少ないが、時間誘導でほぼ大丈夫に。昼間は布の下着にパッドをあてることにした。失見当識はあるものの、見舞い客や電話応対など上手にこなすようになる。年賀状も一言ずつ書き入れる。1～3日くらいの記憶も比較的安定して残るようになってくる。一方、話を創作することも。

回復期リハ病院（２）（6ヶ月目～10ヵ月半まで）

転院は今回は転院先の病院の救急車でストレッチャーに固定され、高速道路を含む2時間近くの道のりを移動。この移動そのものはそれほど負担ではなさそうでしたが、また新たな病院で初めて出会う医師や看護士、療法士など慣れない環境に入れられること自体がストレスになったようで、最初の晩は殆ど眠れなかったらしい。「自発性」の欠如が大きいトマ女さんは看護士を呼ぶこともできず、この病院ではリハビリ以外の時間はケアは無いので、ボーっとしているだけの状態。家族としては放っておけなくなってしまった。トマ吉さんはそれまでも、ほぼ毎日トマ女さんの病院に通っていましたが、電車等で片道2時間以上かかる隣県の病院になっても、稀に見る愛妻家ぶりを発揮してくれ、週４日はトマ吉さんが通い、残りの３日は私ことTomateと姉が手分けをする日々が始まったのでした。ここはリハビリ専門病院のため、患者数は勿論、リハビリスタッフも多く、毎日PT・OTは各1時間、STは30分。但し土曜日はOT30分のみ、日曜はリハビリなし。それでもトマ女さんが結構歩けるようになるのでは、との診断を頂き、徹底した歩行練習が開始された。当初は立つだけでもおぼつかなかったのが、退院時には階段昇降が一応できるまでに。（とはいえ、別の問題「パーキンソン症候群」も顕在化し、完全な自立歩行というわけないのですが…）PT:歩行練習、立ち上がり練習、バランス練習、階段昇降、トイレ動作OT:お手玉とり、整容、輪投げ、パズル、折り紙等ST:嚥下・失語症リハ、記憶の呼び覚まし、歌唱（患者の琴線への刺激も上手に使って親身に行ってくれましたが、残念ながらSTは3ヶ月で打ち切りに…。）リハスタッフには本当に感謝していますが、看護士の対応には必ずしも満足できたわけではありません。トイレ介助を「命中率が悪い」ことを理由にやってもらえず、日中だけ家族でトイレ介助に踏み切ったほど。結局次の老健の空床待ちもあり、ここには5ヵ月半入院し、PT/OTは最後まで各1時間/日ずつ。退院時の状態は以下の通り：身体：入院から3ヶ月後、ようやく昼食のみミキサー食に。入歯を入れ直してから刻み食になり、程なく経管が外れた。食事・歯磨きではほぼ自立。家族介助でトイレ使用。廊下でも歩行練習可能に（家族介助付）なるが、院内の移動は100％車椅子使用。乗用車での外出可能に。意識：声はまだ小さく自発性も殆どないが、昨日の記憶など残るようになってきていた。注意障害で集中力不足。言葉は大分出るようになり、電話で話したり、書字も少し可能に。

回復期リハ病院（１）（80余日～5ヶ月目）

回復期リハ病院は、市内ではリハビリや高齢者医療・介護に積極的といわれるところで、私たち家族にとっても通いやすい場所でした。まだ車椅子でも長時間安定しなかったため、ストレッチャー付介護タクシーで転院。当時のトマ女さんの状態は：身体：全身力が入らず、筋肉も落ちた状態。しかし明確な麻痺はみられない。ベッドから車椅子への移乗も看護士や療法士でないと無理。左右ともに動くことは動くが、左側が弱い。３食とも経管栄養。ただし他の合併症はなく、風邪もひかない安定した身体状態だった。意識：ぼんやりして反応は遅いが、こちらの言うことには受け答えでき、笑顔も大分出てくる。ただし自発的なものは殆どなし。声も普段は小さくしか出ないが、友人などの客人が来ると急にしっかりする。一方、意識がはっきりしてくるにつれ、高次脳機能障害の状況も見えてくることに（昨日・今朝など近過去記憶がない等）。このためリハビリは以下のもの中心：PT：ベッド上での運動、立位・座位の保持練習OT：お手玉をつかむ練習、風船バレー/サッカーST：嚥下訓練（口の運動とゼリーや茶碗蒸しを使った練習）リハ以外の時間も、介護士見守りの下で食堂スペースでタオルをたたんだり、おもちゃや本などを前に置いてくれたり、患者同士コミュニケーションをとる機会もあった。ところが転院から2ヶ月程したある日、私がトマ吉さんのために美味しそうなケーキを買って行き、話しのついでにトマ女さんに見せたところ、車椅子から転げ落ちるほど欲して箱ごと膝に乗せてじっと見ている。幸いST士さんが通りかかったので聞いてみると、翌日のSTで食べさせてくれることに。この頃は軟らかく煮た大根や鶏肉なども練習で食べていた。嚥下の回復も見られていると家族は理解していたにも拘らず、主治医面談では胃瘻の話をされショックを受ける。（私はその場にいなかったので、細かいニュアンスはわからず、医師としては「将来的に、必要になるかもしれない」というつもりだったかもしれませんが、嚥下の回復状況と今後の見通しをきちんと説明した上で、意図を明確に話を出して欲しかった。）同時期、MSWから転院の話をされる。入院時にも「３ヶ月」目処の話はあったが、まだまだ回復途中の患者の扱いに「利益優先」の姿勢が感じられ、転院先を探す。以前、日経新聞だったと思うが、東京都には回復期リハの病院が人口比率では非常に少ないという。このため買い手市場的になっているのだろう。また長期療養という意味で、近隣県の温泉地や環境の良い所に老舗のようなものから新設のものまで、多くのリハビリテーション病院がある。平成18年4月の医療制度改訂のため、回復期への転院も日数制限が出始めた時期だったが、リハビリ継続の強い願いをもって探したところ、なんとか隣県に受け入れてくれる回復期リハ病院を見つけ、転院を決めた。結局この病院の入院期間は2ヶ月半足らずだったためか、目立った回復というよりも、本格的回復のための準備をしてもらったという位置づけになったといえそうだ。（回復期リハ病院（2）に続く）

発症～急性期病院（1～80余日）

2005年暮れ、くも膜下出血発症。トマ女さん70台前半にして初めての大病。前頭葉視床下部周辺の動脈瘤破裂。7時間半かかったクリッピング手術は成功し、直後に少し話はできたものの、医師からは｢出血量｣｢年齢」とも高いため、予後については｢なんともいえない」との説明。脳攣縮期前の｢今が一番意識がはっきりした状態になるかもしれないので…」という言葉にショックを受けつつも、一刻一刻を後悔のないよう行動できたので、振り返ってみると感謝しています。トマ女さんが好きなクラシック音楽のCDをかけさせてもらったり、気になりそうなことを話しかけたり、手足のマッサージをしたりしました。発症から10日目に気管切開、30日目にシャント手術。この間、うっすら目を開けたり、頷くなど、多少の反応はあるものの、意識状態は低い日が続くが、シャントを機に目に見えて改善。シャントから10日後に始めて車椅子に乗せてもらい、集中治療室内を散歩。本人はまだボーっとしているが、コミュニケーションはなんとかとれる。発症から40日以上経てやっと一般病棟に。急性期リハビリテーションが開始され、まもなくミキサー食になるが、脱水症状を起こし、回復期リハビリ病院への転院を目前に経管栄養にもどってしまう。(ここからが長かった）それでも発症から80日余りで無事転院できました。

はじめに

まもなく母が我が家に戻ってきます2005年暮れにくも膜下出血で倒れ、集中治療室に1ヶ月以上いたり、経管栄養がなかなか取れなかったりしましたが、ゆっくりゆっくりと回復が続いています。それは、いわゆる高次脳機能障害とパーキンソン症候群のためですが、自宅復帰を機に更なる改善を期待する娘として、リハビリと介護の記録のブログを始めてみることにしました。母の記録とともに、医療、福祉等のお役立ち情報も紹介できたらと思っています。若さと健康への願いいっぱいの"トマト家"の人々は以下の通りです。トマ女　母（70代）トマ吉　父（80代）Tomate　私（ちょっとフランス風にしてみました）トマ女さんは現在、要介護５。回復期リハ病院から老健に移り冬を越しました。一応歩けるので介助は比較的楽なのですが、一人でいるとふっと立ち上がってはすぐ転倒し、何度もハラハラしてます。幸い、今のところ大事に至っていませんが…これまでのことも、少しずつご紹介していきますね。