貧乏人は米を食え?
「貧乏人は麦を食え」って誰が言った言葉か知ってますか?その答えは・・・池田勇人 です。・1950年(昭和25年)12月7日 「貧乏人は麦を食え」と発言して問題になる。・1960年(昭和35年)7月19日 内閣総理大臣に就任。第1次池田内閣が発足。・1960年(昭和35年)12月27日 所得倍増計画を決定。・1964年(昭和39年)10月25日 東京オリンピック閉会式の翌日に辞意を表明、後継総裁として佐藤栄作を指名した。・1965年(昭和40年)8月13日 術後肺炎により死去。享年65。(喉頭癌だった)なぜ「貧乏人は麦を食え」を思い出したかというと、小麦の価格が高騰してビール、うどん、スナック菓子、ラーメンなどが一気呵成に値上げされているからです。池田勇人は1950年、大蔵大臣だった頃に「貧乏人は麦を食え」と発言して問題になったようですが・・・さて、なんでこんな発言をしたのでしょう? 気になったので、その経緯を調べてみました。ここでは池田勇人大蔵大臣の米価値上げに関連する国会答弁だけを引用させてもらいます。「御承知の通りに戰争前は、米100に対しまして麦は64%ぐらいのパーセンテージであります。それが今は米100に対して小麦は95、大麦は85ということになつております。そうして日本の国民全体の、上から下と言つては何でございますが、大所得者も小所得者も同じような米麦の比率でやつております。これは完全な統制であります。私は所得に応じて、所得の少い人は麦を多く食う、所得の多い人は米を食うというような、経済の原則にそつたほうへ持つて行きたいというのが、私の念願であります」もう、おわかりですね。池田勇人は「貧乏人は麦を食え」とは言ってないのです。おそらく新聞の見出しでしょう。とても有名なセリフとして記憶に残っていますが、本当はもっと長いセリフでした。輸入小麦の政府売り渡し価格が4月から30%引き上げられますが・・・それでもまだ国産小麦の半値以下じゃないでしょうか? 国産の小麦ってかなり高いんです。春の香りの青い空(十勝産小麦粉)1キロ入り529円ということは、10キロで5,000円ぐらいですね。【あきたこまち】10キロ送料無料税込 3,180円これじゃ「貧乏人は米を食え!」ですよね。コメ以外を大規模に生産している農家って、政府の手厚い保護を受けてるんです。民主党は「食糧の自給率が低いのは自民党の農政のせいだ」と文句を言うけれども、実はちゃんと国内の農家は保護されているんです。米から他の作物に転換できないところは不満でしょうが、日本人が「小麦大好き」になったんだからどうしようありません。おかげで北海道の農家は儲かってます。米より麦の方が儲かるんです。サッポロビールが北海道の農家と契約してるって CM を流してますよね。『コスト高になるのにどうして?』と思うでしょ。あれは単なるイメージ戦略じゃないんですよ。なぜかというと・・・小麦の生産段階から CO2 の排出量(吸収量)を計算すれば、環境税が安くなるからです。ボクらのまわりにもaibopapa(さすらいのうどんハンター)みたいに、うどんばかり食べてる人もいるし・・・ラーメンばかり食べてる人もいる。酒だって日本酒からビールや焼酎にシフトしていますよね。このまま大多数の農家がコメを作り続けると、冗談じゃなく「貧乏人は米を食え」という時代になるでしょう。