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独習!ウクレレ奮闘記

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October 6, 2009
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高校2年の時、変わった風貌のIという先生が赴任してきた。
何がどう変かと言うと・・・
てかてかポマードのリーゼント頭にサングラス!
お前は『ダウンタウンブギウギバンド』か?って

リーゼントサングラス

こんな“なり”で、某大学の哲学科出身の社会科教師!!
私もかなり尖がった?高校生だったので、
I先生とぶつかる、ぶつかる。

ところが、さんざんやり合った(何をやりあったかは内緒♪)あげく、
一学期の終わりに私が起こしたある事件(その事件も内緒♪、これには時効がない)
をきっかけに仲良しになった。
(チープな青春ドラマみたいだな♪)

それからは、I先生の下宿に遊びに行き、
深夜まで語り合うようになった。

ある時、I先生が言った。
「“中庸”という言葉を知っとるか?」

「はい、でもそうゆう中途半端は嫌いです」

「そうか、では“無為自然”は分かるか?」

「ム、ムイシゼン?それはバームクーヘンの一種ですか?」

「阿呆、『老子』だ、ロ・ウ・シ。
leleの行動はあまりにも極端で過激に過ぎる。
危なっかしくて見ちゃおれんのだ。
老子を読んで、“無為自然”を学びなさい。
でないと、身を滅ぼすぞ」

ところが、私の町の本屋にはそんなの置いてない。
“お取り寄せ”すると何日かかるか分からない。
たまたま本屋に同行していたN君が、
「次の日曜日に市内に行く用事があるから、買ってきてやるよ」
持つべきものは友人である。

翌週の月曜日に『老子』を手にした私は、むさぼるように読んだ。
難しい・・・でも、理解できないなりに何かを感じた。
少~しだけ“無為自然”が分かりかけてきた頃には、
I先生はもういなくなっていた。

その風貌ゆえに、他の教職員や父兄からバッシングがあり、
わずか一年で県北の過疎地の学校へ転勤することになったのだ。
それきり、I先生の消息は聞かない。

その時の『老子』は大切に保管してある。

老子

この書物を通して、私は自身の内にある“熱い何か”と折り合いをつける術を学んだと思う。
もし、I先生との出会いがなかったら、『老子』を読んでいなかったら、
I先生の予言どおり、私はとっくに自らを破滅に追い込んでいたかも知れない。

無人島に持って行きたい一冊であり、
棺おけに入れてもらいたい一冊である。

久しぶりに、ページをめくってみた。
高校2年の秋の匂いがした。

October 6, 2009 21:02:45







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Last updated  November 2, 2011 11:51:56 PM
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