|
カテゴリ:アート
先週のある日のこと、U嬢がポツッと言った。 「最近、『円空』に興味があるんです」 え、えんくう? 妙齢のお嬢さんの口から「円空」の名前が出てくるとはね。 ・・・ナイスだよ! もう次から次に変なのばっかり出てくるねぇ。 ・・・その頭の中はどうなってるんだ? 何か棲みついてないかい? そんなわけで、久しぶりに円空の作品集を開いてみた。 円空は江戸時代の初期に全国を行脚しながら 仏像を彫り続けた修行僧。 作品はもちろん、 その生き方も含めて私は強く惹かれた時期があった。 どんなに優れたアートであっても、 そこに“聖なるもの”への“畏怖”の心がなければ、 それは所詮“うつろ”なものでしかない。 ・・・と私は思っている。 行く先々で、円空は土地の人々に仏像だけでなく、 それ以上のものを残していったはずだ。 “信仰”と“生”と“芸術”の理想的なあり方の一つが そこにあるように思えてならない。 だから、円空仏を見ていると、 お前はそんな所で一体何をしてるんだ? もっと他にやるべきことがあるだろう?と、 そんな声が聞こえてくる。 ・・・そう、私の生き方を問いかけてくるのだ。 なんともやっかいなことだ。 あまりにやっかいなので(笑) 円空に関する本はU嬢に譲ることにした。 もう作品集を見る必要はないな、と思うのだ。 見なくとも、 円空仏は私の中に深くしっかりと刻まれている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|