カテゴリ:●病院
病院はプロフェッショナルが集まっている所なので、興味津々で好きだし、僕にとっては安心できる場所。日常生活で欠かせない食事に関しても、栄養士という専門職の人がいるので心強い。僕が食事のことを教えてもらった栄養士さんは女性二人だったが、どちらも講義はおもしろかった。
一人はマニュアルのように、一方的に塩分制限を唱える色白で薄い赤い唇が目立つ女性。この時は談話室で何人かまとめて講義してくれた。ペラペラとよくしゃべる人で、僕が「はい。質問でーす」と手を挙げなかったら、きっとしゃべり続けたと思うほど。それでも研究発表のように、カップラーメンやそばつゆ、そうめんなどを持ってきて、その塩分濃度を説明してくれたから熱心さは伝わってきた。ちょうどこの時、僕は検査の後で点滴をしながら車椅子に乗っていた。僕だけが看護師さんが付き添っている、特別待遇のような状態だった。そして、僕に最後にかけてくれた言葉はちょっといただけなかった。「看護師さんも一緒に塩分制限をやってくれるので、がんばりましょうねー^^」という言葉。なんか幼稚園児に思われているようで変な気分。車椅子を押してくれている看護師さんの顔を見て「そこまで言うと、なんかサクラっぽい構成だなあ^^;」と感想を言うと栄養士さんは苦笑していた。でも、そういう言葉をありがたく思う老人もいるだろうから悪いこと言っちゃったかな。この栄養士さんは、僕と同室になった元調理師の患者にも、イジメられたようで、牛肉、豚肉、鳥肉のどれが人間に近い温度かわかっちゃいないと専門的な感想を言っていた。僕と同じような、嫌な患者もいるものである。 もう一人は、インド系のような顔立ちの女性で、たまたま他の患者の食事指導で病室に来た栄養士さんだった。退院日も決まった時なので、今用意されている食事メニューの疑問点を訊いてみた。入院時は尿に蛋白が多く出ていたので、蛋白を減らした食事で、その代わりに毎食フルーツゼリーやフルーツジュースが付いてくる。内科にいた時は、糖尿病と診断されて糖分制限も言われていた。なのに、なぜいつまでも毎食甘いゼリーや甘いジュースが付いてくるのか疑問だったのだ。それに、家に帰ったら朝食は簡単なサンドイッチ、牛乳、野菜サラダと決めていたので、パン食のメニュープランも訊きたかったのだ。その疑問と質問を彼女に言ったら、翌朝からパン食に変更してくれて、さらに親切に内科の主治医にも訊いてくれたのか、蛋白制限の食事ではなくなり普通のものになったのだった。栄養士さんの説明では、尿に出ていた蛋白も減って浮腫みがとれたので、普通のものに戻したらしい。尿に出てしまっていた蛋白を減らすために食事の蛋白質を半分にし、それを補うために糖分を高くして栄養バランスをとったメニューだったらしい。病院では、ちょっと脇役的な存在に感じる栄養士さんだけれど、やはりプロフェッショナルだなあ。思い切って質問してよかったと今でも思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 15, 2010 08:57:26 PM
コメント(0) | コメントを書く
[●病院] カテゴリの最新記事
|
|