カテゴリ:●デザイン
ニコニコ動画では、それはもう多くのイラストレーターたちが生放送をしている。プロの人もいれば修行中の若手まで様々だ。ほとんどがデジタル・イラストでペン・タブレットによる。 使われているソフトは、多くはサイかイラスト・スタジオ。中には僕が仕事で使っているイラストレーターやフォトショップまで使っている者までいる。そうなるとプロの世界と変わらないという恐ろしい時代になった。でも僕らと違うのは、彼ら彼女たちは自分が好きな絵だけを時間を気にせずにじっくりと納得がいくまで描けるということだ。 以前にイラストを頼んでいたイラストレーターがやめてしまったという噂を聞いた。何だやめてしまったのかと思っていたら、年賀状にはそんなことは一言も書いていなかった。噂とは怖いものだ。彼のイラストは、彼の好みで可愛いものが多いのだが、今まで届いた年賀状はかなりセクシーな女性のイラストが多かった。描きたくても仕事では使えない絵柄のようで、だから年賀状に描いてきたのだろう。甥っ子が小さい時、そのようなセクシーな年賀状が届くのは困ると言ったことがある。甥っ子も僕の年賀状は絵の描かれたものが多いので見るのを楽しみにしていたからだ。そうしたら、次の年から子供が喜びそうなヒーロー物やポケモンなどの可愛いイラストの年賀状が届いた。ところがだ。その年賀状にはカラクリがあって、糊づけされた可愛いイラストを剥がすと、今までよりもセクシーなイラストが描かれていたのだった。そこまでして描きたいものかと可笑しくなったが、イラストレーターはそんなものかもしれない。上のイラストは彼が描いた、商業化にはならないであろう作品の一枚。 昔、日本でゴヤの「裸のマハ」が展示された時、マスコミも大騒ぎだったのを覚えている。騒ぎを見て感じたのは単にヌードというのをワーワー騒いでいるとしか思えなかった。そんな印象があり、自分はゴヤの絵が好きになれなかったが、スペインへ行った時に彼の印象は一変した。プラド美術館のゴヤのエリアに「着衣のマハ」と「裸のマハ」が並んで展示されていたのを見た。なぜか不思議なのだけれど、日本で騒いだような雰囲気がなかったのだ。それは厳重な警備が目立つわけでもないからかもしれないが、ゴヤの2枚の絵画というイメージがした。このマハの2枚の絵は、ゴヤのスキャンダルな話題になった絵であり、ビーナス以外のヌードは許されない当時のスペインでは尋常なことではなかっただろう。でも、今はそれはあまり感じられなかったのは時代ですね。それよりもゴヤの絵画を古い順から見ていくと、華やかな宮廷画家からスペイン独立戦争後への変化が激しくて胸を打たれたのだった。その後、ゴヤに興味を持ちJ=F・シャブラン著「ゴヤの生涯」という本を夢中になって読んだ。そしてまた一人、好きな画家が増えたのだった。現在、本屋で気になる文庫本がある。それは堀田善衛・著「ゴヤ」全4巻。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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