せつないよ-Part.1-
なんでなのよ。
どうして、私の分の醜い感情まで背負おうとするのよ。
やめてよ。
やめてよ。
なんであなたばっか、つらい思いしなきゃいけないのよ。
メッセージが、来てた。
『いくらでも罵っていいよ』
そんな意味合いのメッセージだった。
さんざん、嫉妬妻にねちねちやられてるんじゃん。
なんで私の分の醜い感情まで受けようとするの!
しなくていいよ………
やめてよ………
やめて………
これ以上、自分を傷つけないで…………………
私のは、単なる負け犬の遠吠えだよ。
自分でいちばんよく分かってる。
認めたくなかっただけ。
やめてよ………やめて…………自分だけ苦しもうとするの………やめて…………
お願いだから。
私のなんか、言わせとけばいいじゃん。
勝手にイライラして、勝手に反省して、勝手に忘れちゃうんだから。
私、そういう性格だから。
どうせイライラしてるときは、自分の非を認めたくなくて、
人のせいにする言い訳探してるだけなんだから。
私が意地悪言ったから、つらくなっちゃったんだね、
ごめんねごめんね…………
負け犬が吠えてるだけだから、あなたが私の汚い気持ち受けとめて、
苦しむ必要なんてない。
たとえもう恋愛関係じゃなくなっても、それはしない。
最低ね、私は。
全然、努力が足りない上に、汚い。醜いよ。
今、あの人に、文句言うのは簡単だけど、
それはしちゃダメだ。
おじいちゃんの生き方に反するし、
それをした時点で、私は、嫉妬にまみれた人間と同レベルに堕ちてしまう。
絶対やだ。
ささやかな負け犬のプライド。
いい女になるためにも。
私は薬袋博史の遺志を継ぐの。
だから、あなたに、私の醜い感情はぶつけない。
愛した人に、それはしちゃいけないって気づいたの。
もう十分、遠吠えしたからいいの。