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愛と夢を結ぶことば☆Lillian

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2006.02.08
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カテゴリ:Stories

インドのベナレスというガンジス河に面する街がある。


そこでは、火葬が行われるということで多くの、

「死を待つ老残の人々」が家族と一緒に静かな死を迎えに各地から集まってくる。


年月をかけて旅をし最期に辿りつく街。



老人達は病や不慮の事故にも「生」を奪われる事なくを得、

幸福な人生の終焉を終えることのできる数少ない人々である。



こんな光景を、僕達はとあるテレビの画面で観ていたことがあった。

「みんなが楽しそうに沐浴しているのに、あの河の端では死が忍び込んでくるのを待っている人もいるのね・・・。」


「河は混沌としているんだよ。命も活力もそして死さえも飲み込んでしまうだね。」

「ふーん。」

「いつか、行ってみたい。 いつかね。」



結局、僕はそこには行かなかった。

あまりにも生生しくて怖くなったのだ。



ふと、首を傾げると、彼女の横顔に黄色く輝く一筋の光が見えた。


否、それは、タクシーの反対車線を走る車のライトが、

ただ、当たっただけかもしれなかった。



僕は、乗っているタクシーの前方の・・・

先々に行く車の拡散された光の波と、

反対車線で矢継ぎ早に光を出してすれ違う車の流れを走馬灯のように感慨深く見つめている。


これらの溢れる流れはどんな力によっても塞ぎ止められようもないと、

僕も彼女も確信していたかもしれない。


過去は変えられるのかもしれない・・・。


現在が円く膨らみ、僕達の前には新しい何かがあると僕は漠然と感じた。





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Last updated  2006.02.08 14:20:45
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