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カテゴリ:自分のこと
今日、2ヶ月ぶりに美容院に行って来た。
私がここナポリに住んでから、 わずか2ヶ月で美容院に行くなんて、 全くもって初めてのことである。 というのも、ちょうど2ヶ月前に、 良い美容院を見つけたのだ。 今まで、我が家から目と鼻の先の美容院へ、 何度か足を運んだことがあるが、 あまりにも思いどおりにならなくて、 いつも後から自分でハサミを入れたり、 夫に手を加えてもらったりしていた。 なので、ここ数年は、 年に一度の里帰りの際に日本で美容院に行ったら、 それ以外はほとんど自分でカットし、 せいぜい年に一度くらいしか、 こちらの美容院に行ってなかった。 それが2ヶ月前に、 何を思ったか突然思い立って、 いつも息子と散歩に行く時に通る美容院へ、 思い切ってチャレンジしてみた。 すると、思いのほか上手で、 私の気に入った髪形にしてくれるという、 絶対、こっちでは有り得ない物だと 思い込んできた事実が覆されることとなった。 それにしても、ここでも 日本との大きな違いを色々感じずにはいられない。 まず、私はこっちの美容院のシャンプー台が嫌いだ。 日本のようにイスは倒れず、 座ったまま顔を上に向けると、 ちょうど、飛行機の中で眠る時に使うクッションに似た、 U字型の物を首の所に当てて、 それで頭を支えてシャンプーしてくれるが、 その体勢の首のダルイことといったらない。 しかも「お客さんが不快でないように」 なんてことは考えない人達なので、 「耳にお湯が入らないように…」 なんて気遣いは全くない。 普通に耳に向かってお湯をかけるので、 その不快なことといったらない。 しかも顔の上にタオルも乗せてくれないので、 顔はビショ濡れになって、 せっかくのメイクも落ちてしまいそうな勢いだ。 基本的にナルシストな人達なので、 自分のハサミさばきを美しく見せることも、 彼らにとっては重要ポイントなのであろうが、 その手さばきを、あまりに華麗にしようと思うあまり、 切った髪が必要以上に広範囲にわたって飛んでいき、 鏡の台の上に置いていた(注:荷物は預かってくれない) 私のカバンが毛だらけになって迷惑した。 そしてお喋りに熱が入り出すと手の動きは止まるわけで、 あの、イタリア人特有のオーバーな身振り手振りが、 ある時はハサミを持ちながら、 またある時はドライヤーを持ちながら行われるので、 その二つを自分の頭のすぐ側で振り回される私は、 危うく頭に当たりはしないかと冷や冷やものだ。 そしていつも思うが、 こちらのいわゆる「アシスタント」と呼ばれる人達。 肩書きは一応「アシスタント」なのだろうが、 私の目から見ると、 どこをどう見てもお喋りの相手をしているだけ。 カットしている間も、ドライヤーで髪を乾かしてる間も、 何を手伝うでもなく、 ただひたすら、働いてる美容師さんの横で、 ドライヤーの音にも負けない大音量で話しているだけだ。 確かに街中で見かける働く人達にも、 必ずと言っていいほど、 おしゃべり担当のアシスタント的な人がいる。 工事現場で作業をしている人と、 その人に向かって喋ってる人。 公園の草木の手入れをしている人と、 その人に向かって喋ってる人。 そして一番驚いたのは、 私が以前通っていた歯医者のアシスタント。 日本の歯医者さんと同じように、 先生の隣には歯科助手の人がいるが、 私は何度も通っていた間に、一度たりとも、 その助手の人が先生の手伝いをしているのを見なかった。 治療の前後にイスを起こしたり倒したりは勿論、 ライトも一度も点けたり消したりしたことはなく、 歯を削っている時も、 横からバキュームで唾液を吸い取るわけでもなく、 歯に詰め物をするからと言って、 その詰め物を練ったりするわけでもなく、 延々と、先生の横に立って喋っている。 そして先生は歯を削る作業をしながら、 半分は私の歯を、半分はその助手の方を見ていて、 私は「違う所を削られたらどうしよう」と、 毎度、ヒヤヒヤしながら見ていたのを憶えている。 と、えらく話が脱線してしまったが、 要するに私が一番言いたかったことは、 とうとうナポリで、 安心して行ける美容院を見つけたことと、 接客業やサービス業を仕事としている人達に、 日本と同じような快適さを求めてはいけない、 ということだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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