オーストリアン・カフェ
昨年からずっと行きたかったカフェにやっと行ってきた。それはなんと、オーストリア・スタイルのカフェ! 去年オープンしたらしく、色んな雑誌にも取り上げられていたカフェ。場所はアルファマ地区の大寺院のすぐ裏。大寺院から坂を上ってお城に行くルートはもう観光客のお決まりコースだけど、ちょっと裏に行くと、いきなり人影も少なくなる。でもこの通り、これからちょっと注目エリアになるのかも。 そのカフェは、アルファマ地区に住んでいた頃にたまに食べに行っていた、ポルトガルのモダン料理のレストラン、「Viagem de sabores」(味、味覚の旅という意味)のすぐ隣にあった。もともと倉庫か何かだったのを改装してカフェにしたらしい。天井がとても高くて、スペースも広くてとてもいい空間。カフェのあちこちに本が並べてあるのもオーストリア風?そういえば、もう10年ほど前に一度訪れたウィーンでのたくさんのカフェは、皆コーヒーを飲みに、というよりも、読書だったりおしゃべりだったり、長いゆっくりと時間を過ごす場所のようだったのを覚えている。ここも椅子がソファだったりして、本当にちょっとコーヒーだけ飲んで席を立つのはもったいない空間。 メニューのサンドイッチもポルトガルおなじみのシンプルなハムだけやチーズだけではなく、ルッコラやトマトやモッツァレラが入っていたり、オリジナルのものが多い。カウンターのショー・ウィンドウに並べられたお菓子たちもすごく美味しそう。私はバカリャオ(タラ)のペイストリー包みを頼んだ。働いていた人たちは、ここをオープンさせたらしいオーストリア人の女性たち。お皿を持ってきてくれた時に、「うちの料理人が作ったスペシャルなバカリャオ料理よ!」とニッコリ。サワー・クリームがついているのもやっぱりオーストリアならでは? このカフェの壁は、色んなアーティストたちに展示場所として貸しているらしく、大きな写真がいくつか飾ってあった。最近こういうスタイルで、若いアーティストたちに場所を提供するカフェやレストランが増えているみたいで、とても嬉しい。わざわざギャラリーに行くのって、知っている人なんかじゃないと行きにくかったりするけど、こうやって気軽に知らないアーティストの作品に触れられるのは、カフェに行く楽しみの一つにもなる。 アルファマ地区というと、フランス人を初め、ヨーロッパの各国から来ている学生たちにとても人気のエリア。やっぱりリスボンの情緒がたっぷりで、ロマンチックだもんね。私も学生の頃は(といっても3ヶ月だけだたけど・・)オーストリア人の友人と、毎日のようにアルファマ地区をブラブラしたり、カフェに行ってはおしゃべりしたりしたなぁ・・。エリアが小さい上に、皆学生なので、この辺のどこで今日はどんなイベントがあるとか誰かがちゃんと知っていて、小さなライブハウスでフラメンコ・ギターに聴き入ったり、小屋のような小さなバーで客全員で一緒に歌を歌ったり。。アルファマには、ヨーロッパの学生とリスボンの若者たちによって作られた、特別な、何となくアーティスティックな雰囲気がある。このカフェに来ていたお客さんたちからも、何となくそんな雰囲気が感じとられた。 pois,cefé o café austiraco rua são joão da praça. 93-95,1100-521 lisboa (sé/alfama)