やっと落ち着いてきたと思ったら環境激変。
びっくりな4巻でした。
これまでの感想はこちら。
前回チラリと登場したファリエル家のユーリさんがヴェロニカのところでアルテの
話を聞きつけて親方の元にやってきました。
アルテをヴェネツィアについていきたいってことで。
仕事は2つ。
1つはファリエル家の肖像画家、もう1つは姪の家庭教師。
姪っ子は周りに手を焼かせる面倒な娘らいく、これまで何人もの家庭教師が
やめていったようです。
貴族としての礼儀作法を教えて欲しいってのが本命の依頼のようで。
もちろんアルテの絵を気に入ったからってことですが、一番の理由はアルテが
女で貴族出身だから。
ヴェロニカからアルテの話を聞いて気の強さとか頑張り具合が相当気に入っ
ちゃったようです。
まぁそう簡単にはアルテが承諾することはないと思ってましたが・・・
レオは「どんな結論をだそうとアルテが出した答えを尊重する」と言います。
大きな仕事だからこそ納得がいかない部分があるならよく考えろと。
結局、アルテが出した結論はお断り。
ユーリがアルテを選んだ理由ってのがアルテにとっては反発心を持つもの
だったけど、それを取り除いて冷静に考えてみた結果「自分にはまだ学びと
習練が必要で、まだ仕事を求めていないから」ということで。
十分に力をつけ客を満足させる力が本当に身についたと思った時に仕事を
探すべきだって思ったようです。
そうだよね~~~いきなり過ぎる話だし、彼女にとっては今すぐ仕事を引き受け
なくてはならない生活の貧窮があるわけでもないし。。
でも、これって裕福な環境で育った者の考え方だよな~なんて思ってみたり。
仕事をもらうことの大変さや困窮を知っている者は二つ返事のとこだもんね。
アルテは断ってすっきりしますが、レオの師匠の娘・ルザンナが身重の姿で
レオを訪ねてきて。。
どうやら子供が生まれる前に夫が亡くなり、遺産相続が出来ないので持参金を
返してもらい子供を自分一人で育てようとしてるようですが、持参金の返還を
旦那の実家が渋ってるらしく・・・
アルテは偶然知ってしまうのですよね。
持参金の返還にはいろいろ問題が起きたりもするようで、親族や後継者が
いないと交渉すらまともにできないようです。
義理の母が同じ女性でありながら障害となるとは。。
日本の嫁と姑の関係に似てる。。
アルテは突然のルザンナの訪問によって自分がレオに恋してることを認めます。
あっら~~~
意外にあっさりと恋心自覚しちゃってるんですね。
そんなことないって否定するのかと思ったんですがw
アルテはルザンナと話をするうちに彼女が本当に旦那さんを愛してて、レオの
ことも心配してくれるいい人なんだと感じます。
そこで自分に何かできることはないかと考えるのですが・・・
その頃、ユーリはアルテに断られたものの諦めてなくてレオのところへやって
きます。
アルテを手放したくないがために消極的な助言をした可能性はないかとレオに
尋ねると・・・
レオは僅かに表情を変え・・・
自分が無意識に彼女の将来の可能性を制限してしまったのではないだろうかと
思ったのでしょうね。
ユーリはレオの動揺を感じ取ったようですが、彼はなかなかの策士のようです。
一方、アルテはユーリにルザンナの後見人になってもらおうと考えていて。
名家の人間だから使えると踏んだようです。
その条件をのんでもらえるのならヴェネツィアに行くことにします。
うわぁ~~~~他人のために簡単に決めちゃいましたね。。(><)
レオの事が好きなら離れないと思ったのに、レオを心配してくれるルザンナを
放っておけなくなってしまったようです。
人が良すぎるという気がしないでもないけど。
レオもルザンナを助けたいというアルテの思いを受け入れるようで。
彼女が決めたことなら仕方ないってこともあるでしょうが、ルザンナを助けて
もらえることに感謝してて。。
アルテはレオに一度工房を出たら二度と受け入れてはもらえないのか尋ねます。
彼女は3カ月ほどで戻ってくるつもりなんですよね。
そんな簡単なわけないのにね。
ユーリは後見人の件を了解し、期限については最低1年と言ってきますが間を
とって取りあえず半年ということに。
いやいや、半年ってのも無理だと思うわ。
私は最低でも2,3年はかかるとみてる。
レオは「いつでも親方として待っててやる」と返事をくれますが・・・
レオの方は半年やそこらで帰ってくることにはならないと感じてるようですね。
下手したら一生の仕事になるかもしれないわけだし。
それにそのままヴェネツィアで仕事をすることになるかもしれないし。
ユーリのおかげでルザンナは持参金を返してもらえます。
裏からも手を回したようですが、職を取り上げてしまうのまではちょっとやり過ぎ
じゃないのかなと思ったり(^^;
ルザンナはレオにはアルテのような人がいてくれてよかったと思ってますが、
まさか自分のためにアルテがヴェネツィアに行くことになったとは知らなくて。
最終的にはアルテはレオの元に帰ってくるでしょうけどね。
まだまだ先の気がする。。
アルテは半年の期限だからと気楽に出発しようとしてますが、レオは「今回の
仕事は良い機会だから自分の力で仕事を手に入れて食べていくことについて
考えて来い」と言います。
「その結果、お前がこの街に帰ってこなくても良いと思っている」と・・・
アルテはすぐ戻ってくるつもりでいるのに大ショック。。
それに気づいたユーリはアルテを馬車の中へ。
「そいつを頼みました」というレオに「頼まれました」とユーリ。
この二人、いずれアルテを巡って恋敵になるのかしらん。。
今はユーリは全くアルテにはそういう面での関心はないようですけど。
気落ちするアルテにユーリはレオから預かった携帯用の祭壇画を渡します。
それはレオが描いたもののようで。。
アルテは道中、レオは自分が邪魔になったのだろうかと気になって気になって。
祭壇画はもう二度と会うことのない自分への餞別なのかと・・・
アルテは絵を描くことで気を紛らわせようといろんな景色を描きまくりますが、
ボーとして船から海へ落ちてしまうことに。
ユーリはアルテの様子を見かね、レオはアルテが邪魔で帰ってこなくて良いと
言ったんじゃないと思うと言います。
実はユーリはアルテの悩みなんてお見通しだったけど面白いものだからしばらく
楽しんでたようで。
アルテは元貴族でレオとは違うやり方や違う可能性を持っているから、レオは
その可能性を制限したくなくて、もしアルテが“レオの元で学び続ける道”以外に
“もっと有益な道”を見つければ、その道を選ぶことも可能だと伝えたかったの
だろうと。
ユーリはレオが言葉足らずであることも理解してるようです。
レオから預かって来た伝言を伝えます。
「悩む前に仕事はきっちりこなせよ」
やっとアルテは眼の輝きを復活させ、ユーリはアルテらしくなったと満足気。
もっと早く教えてあげればいいのにね。
相当なSっ子さんです。
そしてアルテの前にヴェネツィアの街が・・・!
ワクワクするアルテ。
ユーリはそんな彼女を「見ていて飽きない」と楽しそうw
これは絶対、今は興味ないけど後から惚れるパターンだよね。
姪っ子カタリーナの元にユーリがヴェネツィアに着いたとの知らせが。
うわぁ・・・これは確かに面倒そうな子だわ。
レオと離れてしまうなんて面白くないと思ったんですが、離れている間にレオが
寂しくなってアルテをどう思っているのか考えちゃったりしてくれるんだったら
それはそれで意味のある時間になりそうかなと思ってみたり。。
一段と成長して帰ってくる弟子を迎える親方を見る楽しみができたというものです。
あの渋いレオがどう変化していくのかにも期待したいです。