やっと「僕だけがいない街」8巻読みました。
アニメとはラストが違ってましたが、なるほど。
アニメは尺の関係とかあるし、同じは難しいとしてもキャラの関係性や
作品の世界観を上手いこと落としこんでいたんだなと感心。
場面は違うけれど、セリフは同じような感じだったと思いますし、作者さん
あとがきでもあるようにこの作品を本当に理解してる人達の手によって
作られていたんだなとしみじみ。
そういう作品はアニメ化された時、原作+αの力が発揮され相乗効果が
出て、素晴らしい作品になりますよね。
1クールだと丁寧に描写するには漫画4巻から5巻までが一杯一杯では
ないかと思うので、原作8巻分をよく1クールに収めたと構成にも感心して
たのですが、この作品のシリーズ構成・脚本を手掛けた方は今季私が
気に入ってる「ジョーカー・ゲーム」のシリーズ構成・脚本をされてる方
だったのですね。
他にも「うさぎドロップ」や「ハイキュー!!」をされたようですが納得。
で、8巻ですが原作の方も面白かったです。
結末はアニメを先にみたわけですが、こちらもなるほどなと思いました。
売れない漫画家だった藤沼悟は「再上映」という現象に
巻き込まれて何を"得て"何を"失った"のか。
自分の人生をやり直した彼が、辿り着いた時間に待って
いたものとは一体...?
時空間サスペンス、感動の完結巻!!
前半の巻を読んでいた頃はどうして「僕だけがいない街」なんだろうな
って思っていたのですが、後半、悟が寝たきりになってしまったことで
そういうことだったのかと。
ってことは最初から構成を全部考えて進めて来たってことですよね。
ま、当たり前といえばそうなのかもですが。
で、すぐにその面白さに気付いた人たちが実写化とかアニメ化に動いて
たようで。
私はリバイバルって事象の理解に手間取ってしまって、話は面白いん
だけど、時間軸とか流れがややこしくてなんかよくわからんあぁ・・・って
思ってたんですよね。
でも、こういうのが好きな旦那や息子の食い付きは凄かったですね。
早い巻ですでにあれこれ推理を巡らし、犯人も特定して、この先どう
展開していくのか推測して楽しんでましたから。
私はそういうのは苦手でただただ読んでほぉ~~~っと感心してるだけ
でした(^^;
悟のお母さんはどうして歳をとらないんだろう、とかそういう割とどうでも
いいことが気になったりしてw
8巻は間延びすることなくテンポ良く締めましたね。
矢代の計画が着々と進められていくのと並行し、悟とケンヤが巧妙に
裏をかき、計画を潰して行ってる様子がそれほど時間差なく描かれて
いるのでドキドキしながらも、ワクワクして読むことができました。
最初の頃は私は「リバイバル」が繰り返されるとこれまで起きてた事象が
何度も変化していくから、それってどういうことなん??ってそれ自体が
受け入れられないというか理解が付いて行けなかったんですよね。
それにいきなり母親が殺され、悟が犯人にされて、一体この話はどう
なるの?
真犯人を見つけて復讐する話なん??少し前の事象を変化させて事件が
起らなかったこにする話なん??って思っていたら・・・
なんと、過去からざっくり変えて行く話だったとは。
いつになったら現代に戻ってくるんだろうって私は思っていたんですが
その“現代”がそっくり変わってしまうというか変えてしまうってことだった
んですね。
こんな話、収拾がつくのか、付けられるのかと思っていましたが見事に
収まりました。
それも非常に納得のいく形で。
犯人が判明して終わりではなく、悟が犯罪に巻き込まれ15年も眠り続ける
ことになったにも関わらず、そこから復活しケンヤとともに八代を追い詰め
ていく展開は非常に読み応えありました。
また八代が望んだようには死なせず、自分の犯した罪によって裁かれると
いう結果もよかったです。
時効の事件も全て自供したのは矢代らしいですね。
私は漠然と確定死刑囚ってのは刑務所にいるものだと思っていたのですが
拘置所に収監だったのですね。
確かに死ぬことが刑だから刑務所で服役する必要はないですね。
でも、なんかもやもやするというか・・・
少しでも社会貢献しろよ、というか刑が執行されるまで働くわけでもなく自由
ってのはどうなんかなと。
犯罪被害者の人たちにしたら納得いかないような。
ま、それは置いといて・・・・
ラストは悟とケンヤが少しは自分たちが憧れていたヒーローに近づけたの
ではないかと思ったり、売れない漫画家だった悟がすっかり売れっ子に
なってたりとハッピーな終わり方になっていましたね。
いろいろありましたが良かった、良かった。
勇気ある行動の結果は悲劇ではありませんでした。
悟が自分に起ったことを全て肯定的に受入れ、自分が常に前を向いて
進めたのは仲間のおかげだと感謝してますが、ホント良くがんばったと
思いますわ。
あとは再会したアイリと上手く行けば万々歳ですね。
ま、再会したってことは大丈夫でしょうけど。