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カテゴリ:青年誌コミックス感想
アニメはまだラスト前ですが、全巻読み終わりましたので感想を。
とにかく出てくる人みんないい人で感動! 先に読み終えた娘が「世界中に翻訳されて欲しい作品」だと。 激しく同意。 いやいやいや・・・ここまでとは思いませんでした。 これまでもチラホラと途中経過としての感想は書いてきましたが まとめて上げておきたいと思います。
森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った少年カイ。 師・阿字野と出会い、カイのピアノは大きくはばたき、17歳に して世界で最も権威のあると言われるピアノコンテンスト、 ショパンコンクールに挑んだ。 コンクールを終えたカイは、しかし、コンクールよりももっと 大きな夢を抱いていた。 20巻を読んだまでの感想で雨宮の坊ちゃん、なんて酷いことをカイに してくれたんだよぉ~~~って書きましたけど、やられましたね。 その後の展開に胸熱。 一人一人の心理描写が丁寧で、特に雨宮父子の苦悩っぷりは才能がある が故の苦しみで、奥が深かったです。 雨宮はショパンコンクールのファイナルを前にカイに自分の負の感情を ぶつけるという暴挙をしてくれましたが、カロル・アダムスキの言葉に よって自分自身と向き合い、心からカイの存在を受け入れることが出来 やっと苦悩から解き放たれることが出来ました。 途中、ホントなんてことしてくれてんの!?って腹立たしく思いました けど、自分の過ちに気づき、謝ってもどうにもならないけど少しでも カイのためにとファイナルを前に自分の出来ることを最大限に協力する 態度は昔の小学生の頃の雨宮で嬉しかったです。 カイは最初から雨宮と勝負することなんて頭になくて、雨宮の音を認めて いたし、大事な友達だと思っていたから相当傷ついたと思うんですが、 それでも比較的立ち直りが早かったのはちゃんと理由があったんですね。 カイにとってはファイナルに残ることや入賞が目標ではなく、最初から 優勝狙いだったのには驚きましたけど。 カイは阿字野が現役ピアニストだった時の映像を見て、その奏でる音に 感動するも、それだけの音が出せたのに事故によってピアニストとしての 人生を諦めざるを得なかった苦しみを痛感。 阿字野を思うあの涙が重要だったんですね。 カイが手の手術の権威である医者との接触を図り始めたとき、自分のため ではなく阿字野のためだろうとは思いましたが、それはあくまで阿字野が もう一度ピアノを思う存分弾けるようになるための恩返し的なことだと 思ってたんですよね。 まさか、カイはその先を見てたとは。 阿字野にただ復帰させるのではなく、“阿字野荘介“として再起させ あの素晴らしい音の先を「自分が越えること」を求めるなんて! これこそ最高の恩返しですよね!! 震えますわ。 父親がわからないカイにとって阿字野先生はまさに父親だし。 涙が止まりませんよ?? 「阿字野の野望を越える」とカイがいってたのはこれだったんですね。 阿字野は世界にカイのピアノを知らしめ、カイを世界に出すことが願い だったけど、カイはもっともっと先を見てたとは! 最高かよ。 d(≧∀≦*)ok! そして阿字野先生の復帰は自分がこれからピアニストとしてやっていく ためにも必要なことって・・・ いろんな人間関係がありますけどショパンコンクールで師弟関係が解消 されるとビビっていた私にとって、この新たなライバル関係はまさに 鳥肌ものです。 はぁ・・・泣ける。 どんなラストになるんだろうってワクワクしてましたけど、想像以上 でした。 ショパンコンクール長かったけど、必要なことがいっぱい盛り込まれて いましたよね。 そりゃ長くもなるわ。 もうほんとね・・・一人一人の描写が丁寧。 心理描写もですが、演奏シーンの表現も多彩。 特にパン・ウェイが炎の中で演奏する演出はドキッとしました。 作画も線がシンプルだし描き込みも少ないけど表情がいいのですわ。 目がね全てを物語っているというか・・・上手いです。 心がきゅ~~~~~って締め付けられます。 切なさとか愛しさとか・・・ カイが別嬪さんなのが何よりもいい!! そしてなんといってもキャラがみんな素敵でしたわ。 雨宮よりたちが悪いと思ってたレフも彼には彼の事情があって、ちと ややこしい奴ってだけでそれほど嫌味な奴じゃなかったこともわかり ました。 パン・ウェイとカイは同じように苛酷な環境で育ってますが、全く違った のはカイにはレイちゃんいたことですかね。 カイは自分の環境は他の人とは違うと感じていましたけど、それを不幸 だとは思ってなかったですよね。 レイちゃんは15でカイを産んでいて、世間一般にはとても受け入れられ にくい環境でカイを育ててますが、全力でカイを愛してきたんだという ことがわかります。 カイにとって森の端の環境は足かせでしかなかったけど、限りある時間 チャンスを有効に使うことをカイに覚えさせたともいえますよね。 そして何よりカイのピアノが伸びやかで温かくて人を感動させるのは 才能だけではない、カイの人間性が表現されてるからですよね。 もちろん森のピアノの功績も大きくて、森のピアノ(阿字野のピアノ)よ ありがとうです! パン・ウェイは阿字野の音を奏でながらも根底にあるのは怒りや憎しみ。 彼はずっと灼熱の中でピアノを弾き続けていくのだろうかと思ってましたが 彼もまた自分とピアノの出会いについて向き合うことで感謝する気持ちが 生まれて温かみのある音に変わってましたね。 もう、最後まで読んだら私も感謝しかありません。 こんなにも感動をありがとうです。 パン・ウェイの養父ですらかわいい爺になってしまうしw 雨宮父も阿字野との一方的な確執や息子に対する態度について気づきが ありましたよね。 父親にこそ問題があるってところでしたが、彼も救われたし、更に癒やし の音を極めるのではないでしょうか。 レイちゃんの仕事のことも不安でしたが、すっかり解消されて清々しい ラストで嬉しかったです。 カイが成功すればきっとあの森の端のやくざ者たちが集ってきてカイの 厄介者になるのではと心配だったんですよね。 何より、レイちゃんが活き活きと働ける環境を手にして良かったです! みんながみんなHappyで嬉しいです。 全巻感想を書き思いですが、今からそれをもう一度やるのは体力的に 厳しくて時間的にもざっくり感想(これでも)になってしまいますが 書きたいことはたくさんあるんですよね。 ホント魅力的な人物がたくさん登場してくるのですよ。 ぜひぜひ読んで欲しい作品です。 いや~~~~これはもう文句なく絶賛いたします! オススメどころではありません。 素敵な素敵な作品です!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018年06月17日 23時46分44秒
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