携帯電話と車内マナー
日本では、電車やバスにおける携帯電話の使用の是非について、ずいぶん議論になったと記憶していますが、ロンドンでは他人が車内で携帯電話を使っても全く気にされる様子はありません。また日本でも最近定着(?)したように、車内でお化粧をしている人もいます。またウォークマンをガンガン音漏れさせてる人がいてもみんな全然お構いなしのようですし、それどころか、車内にラジカセを持ち込んで音楽を流している人さえいます。どうやらイギリス人は他人のすることにいちいち干渉したり文句をつけたりしない、という態度みたいですね。さらにびっくりするのは、地下鉄やバスの運転手さえも、携帯電話で話しながら運転しているところをしばしば目にします。日本だったら新聞沙汰になりそうな話ではないでしょうか。さて、悪口(?)ばかりでは不公平なので良いところもあげると、ロンドンのバスは今やほとんどが車椅子対応のいわゆる「低床バス」になっています。この点に関しては、さすが福祉国家だな、と感心します。あと原則24時間営業というところもすごいですね。話がそれましたが、イギリス人は他人の行動に関してはかなり寛容なようです。職場においても、人のすることにとやかく口出ししない、というスタイルは彼らに共通して感じます。車内での携帯電話やウォークマン程度ならば、彼らにとっては余裕で許容範囲内、ということなのでしょう。さて、ある日のこと。いつもどおりバスに乗っていたのですが、その日はいつもより空いていて、乗客は僕一人でした。そして僕が途中のバス停で降りて車内に乗客が誰もいなくなると、運転手も一緒に降りてくるではありませんか。片側1車線の道ですがかなりの幹線道路なため、後ろにはあっという間に長い車の列で大渋滞に。「いったい何事?」と思ったら、なんのことはない。彼はさっそうとマクドナルドに入って行き、ハンバーガーを買いに並んでいたのでありました。