知らなかったのは私だけ?
Dear Honey, 今回、こちらに帰ってくる前に、honey にしょんぼりした顔でこう言われた。”今年のバレンタインデーは、何もプレゼントできないかもしれないなぁ。ごめんな。”私は、婚約指輪を買ってもらえただけで、十分幸せで、これ以上のことを望んだら罰が当たると思っていたので、”私のことを愛していてくれるだけで、私は幸せだから何もいらないよ。”そう返事を返した。そのことをしっかり覚えていたので、今日のこの日は特に何も望まなかったし、別になんとも思わなかった。むしろ仕事が忙しくてそれどころではないくらいだった。が、それは、実は彼の作戦で、それに気付いていないのは私だけだったのだ。この日、私はちょうど、大事なミーティングがあって、会議の真っ最中だった。スタッフは総勢30人くらいいただろうか。通常のルールだと、会議中に、急用が入った場合は、内線で先に連絡がなにかしら入ってから、スタッフに伝えられるなり、急用の人間だけが、会議の邪魔にならないように抜けるようになっているので、外部者が会議室に通される事はまずない。いつものように、誰かが電話を数分前にとって、話していたような気もしたが、その後の連絡が何もなかったので、私は、なんでもないんだと思い、特に気にも留めず、すぐに会議に気を戻した。しばらくしてからか、会議が中盤に差し掛かった頃、ドアが、コンコンっとノックされた。私は一瞬、あれ?っと思ったが、そういうこともあるのかなぁ?と思いなおし、様子をうかがっていた。付近にいたメンバーの一人が、ドアを開けると、なんと一ダースの真っ赤なバラの花束を抱えたお花屋さんが立っているではないか。女性スタッフは、とたん様子をうかがうようにしてキョロキョロし始めたが、私は、全く気にもしなかった。なぜなら、私は、honey が言った事を信じていたからだ。しかしそのお花屋さん、なぜか、私のところへまっすぐトコトコと歩いてくるではないか!私は、”そんなわけはないぞ。だって、honey はそんなこと言わなかったし、私もそれを知ってるから・・・。私じゃないってばぁ~。”そう思い続けていたが、その時、先ほど電話を取った同僚が、”ごめんね。さっきの電話、実は、事務所から、あなたにバラの花が届いてるけど、どうしましょうかっていう電話だったの。本当は、あなたにお花が届いてるよってメモを渡そうかとも思ったんだけど、ボスが、今日はバレンタインデーだからって特別に許可をくれたの。だから、持ってきてもらってくださいって事務所に頼んだの。”と、言われてびっくりするやら嬉しいやらで、”えっ、すみません。”とただただ頭を下げるしかなかった私・・・。そしてその花束に添えられたメッセージ(原文)には、You've touched every part of my life.You hold my heart, mind, body, and soul.You are the only one I want to go through all time with.You are my partner, my friend, my lover, my (soon-to-be) wife, and the future mother of my children.You are my beloved.And on this day, like every other day.I thank God that you are mine.Happy Valentine's Day, my beloved. Love, heart, mind, body and soul; always and forever,そう書かれていた。”うそつきぃ~。あの時そうは言わなかったじゃない!”私はそう心の中で叫びながらも、今年もまた海を越えて変わらぬ愛で愛されている幸せを感じずにはいられなかった。昨年同様、男性の同僚から、”お前にはほんと、当てられっぱなしだよ、ったく・・・。幸せものは、もうこれで人のものかぁ。残念だけど手は出せないな。”すると、ほかの男性の同僚に、”お前、これで、手出したら、俺たち殺されるぞ!ご馳走様、いい夢見させていただきました。今後の参考にさせていただきますって、そう言って終わっといた方がいいぞ!下手な真似するなよっ。”っと、からかわれてしまった。すると、私のボスまでが、”おぉ~れも今日は早く帰って、かみさんになにかしぃ~よぉ~っと。”っと、言い始めたから、さぁ~~、会議が会議ではなくなってしまって、バレンタイン談義に花が咲いてしまって、本日の会議はこれにて終了となってしまったのだ。皆さん、大事な会議中にごめんなさい。でも、今日はゆるしてね。だって、私の大切な人が私に海の向こうから愛を届けてくれたんだもん!いつも私のこと一番に思っていてくれてありがとう, honey. 私は世界中で一番の幸せものです。あなたに出会えたことに今日また改めて感謝し、あなたに愛されているその幸せを海の向こうでかみしめています。あなたの永遠の友達、恋人、パートナー。そしてあなたの妻になる日まで後もう少し・・・。その日を夢見ながら、あなたの事、思っています、この赤いバラのように・・・。愛しています、心から・・・。Love and miss you,