沖で待つ 絲山秋子
病院で待合時間に読書。今日は2006年に芥川賞受賞作「沖で待つ」絲山秋子。舞台は福岡市。「それは、読みたいね」と友人から感想を聞いて即文庫本を買ったのに、ちょっと寝かしておりました。芥川賞ということで、かなり身構えていたけど、むしろ直木賞の作品のように読みやすい作品でした。選考委員のおじさま方には、メーカー総合職の女性営業なんてすごく未知の世界だったのかな。 「沖で待つ」のいいところは、フィクションが混じりながらも、うまく文学として、キャリアであがく女性を書けているんだよね。 女性漫画では、昔からけっこうきっちり書かれていたので、2006年の時点でも新鮮味はないけど。じゃあ、恋愛文学なんて平安時代からかかれているから今書いたら新鮮味がないのかというとそういうことじゃないのと同様で、今後もいろんな視点、思考をもった、働く女性の人生観の小説がでてくるんだろうな。 これに関しては、以前「警官の血」の感想で書いたと思うけど、男性作家、会社経験の無いもしくは、男女雇用機会均等法以前に社会にでた女性作家がなかなか働く女性を書けてないぶん、今後どんな小説が、小説家がでてくるか楽しみ!!。