Liverpoolの桜
3年前の2004年4月にLiverpoolに行った。その時は、フルタイムで仕事をしてたし、主婦の私が家族をおいて海外旅行に行くなんて99%無理な事だった。でも、10ヶ月前から絶対に4月にLiverpoolに行くって決めていた。こうなったらいいなぁっていうことをたくさん何度もイメージした。EmpireでTwopenceの舞台が始まるのをワクワクした気持ちで待ってるあたし。Robにもうすぐ会えるかもという期待のいっぱいつまった気持ちのあたし。一緒にLiverpoolに行こうと約束してる友達とランチをしながら、語り合った。一緒にLiverpoolのTownHollの上にあるMinervaに会いに行こうね。いつか彼らと一緒に乾杯してビールが飲めたらいいね。4月だから、Liverpoolで桜が見れたらいいなぁ。。。一人でイメージするよりも、友達と話してるとすぐそこに、手をのばせばつかめそうなところにあたしの夢があった。でも、パパになかなか言い出せなかった。今日言おう。明日言おう。と思ってる間にどんどん時間だけが過ぎて、出発予定の2週間前にやっとお願いした。答えは当然 NOだった。そりゃそうだろう。と思ったけど、どうしてもあきらめきれなかった。Robに会いたい。Robの仕事が見たい。娘はすごく応援してくれた。「ママ、夢は本当に叶うっていう事をみせてよ。ずっとRobさんに会いたかったんでしょ。会いに行っておいでよ。」そして、出発の3日前にパパにメールを打った。どうしても行きたい。どうしてもRobに会いたい。パパからの返事、そんなに行きたいなら行ってきなさい。家の事はボクがなんとかするから。あんなに反対していたのに、気持ちよく送りだしてくれた。一緒に行く友達は、自分のことのように喜んでくれて、あたしは、良い友達に巡り会うことができて、本当に嬉しかった。職場でも締め切り&連休前で忙しいのに、みんな気持ちよく休みをとらせてくれた。出発の日、2004年4月23日は、小学校の遠足の日だった。前の日に仕事を終わって荷造りをして、そのまま寝ないで遠足のお弁当と長女の学校のお弁当と3つ作った。そして、私はRobに会うことができた。Robがポケットからだした10ポンド札でビールを買ってくれて、一緒に乾杯をした。Minervaにも会えた。桜は・・・八重桜は色んなところに咲いていたのだけれど、日本の桜は見かけなかった。Cherry blossoms in Hilbre high school, WirralLiverpoolを発つ早朝、空港まで行くバス乗り場に行く前に、Empireに立ち寄った。Robに会えたEmpireTheareの裏口は、私の夢が叶った場所。ただの劇場の裏口なんだけど、私にとっては最高の場所。彼と乾杯をしたパブの前。ここに立ってるだけで、涙がでてきた。あれは夢だったのかしら?でも、嬉しい気持ちがふつふつとこみ上げてくるから、現実だったんだ。そしてこの坂道を「Robと会えたね~。」って嬉しい気持ちを一緒にシェアしながら、友達と手をつないで登ったんだ。夢は思いつづけてると必ずかなうんだ。嬉しいことは、誰かとシェアすると何倍にもなるんだ。って実感したLiverpoolの夜。そして、バスターミナルのほんの手前にある民家の庭に桜の木はあった。花は、ほとんど散って、葉っぱもでてるけど、日本の桜と同じ種類のものだった。あーやっと会えたね。私は、桜に会えたのがとても懐かしい気持ちがした。早朝に桜をじーっと見つめてる東洋人をアヤシイと思ったのか、おじさんが声をかけてきた。「Good Morning! 素敵な朝だね。日本から来たのかい?何の目的でLiverpoolに来たんだい?」私は、夢を叶えるために来たの。ずっと会いたかった人にやっと会えたの。それは、よかったね。とにっこり笑ってくれた。3泊5日のLiverpool。はらはらと散っていく桜の花びらは日本で感じるはかなさと同じ。心残りもあるけれど、あたしはやっとRobに会えたんだ。桜だけがLiverpoolを発つあたしを見送ってくれた。。。と、思ってたら、バスターミナルには一緒に夢を叶えた友達が見送りに来てくれてた。別のホテルに泊まってるし、早朝だし、あたしはバスの発つ時間をお知らせしてなかったのに・・・あたしは、Busterに出逢えたことで色んなものをもらった。夢、希望 、夢が叶う喜び、そしてその夢を一緒に味わうことができる友達。彼女たちは、バスに乗ったあたしをいつまでも手を振って見送ってくれた。その時あたしの耳にははっきりと音楽が聴こえた。Twopenceのアルバムの2曲目 ”Only in my dreams”♪Joyful laughter carry on the breezeIn a place called paradiseBut only in my dream・・・♪色んな気持ちが渦巻いていた。Robに会えたという喜び、Liverpoolを離れるという悲しみ、家族に対する感謝でも、あたしの気持ちの一番前にあったのは、この友達に出逢えたという喜びだった。彼女と出逢う前からずっと親友だったと思う。そして彼女に出逢ってからもこれからもずっとずっと・・・おばあちゃんになっても親友でいる。この時は、確信した。私が、この時の気持ちをずっと持ちつづけることができたら、彼女に出逢えた喜びを感謝する気持ちをもっとちゃんと見つめ続けていたらあたしを含め、誰も傷つけなかったのになぁって思う。あたしは、すごぉくRobが好きなのだ。もうプラスのものもマイナスのものもすべてがんじがらめにして抱え込んでしまうくらいに好きなのだ。なんであたしにだけ、チャンスがなかったのか納得できなかった。誰かのせいに、何かのせいにしたかったんだと思う。Liverpoolから帰って、前の仕事関係でも、他の友人関係でも人に裏切られた。異性とお別れするように同性の友達でもお別れすることがあるんだ。2004年は夢が叶ったけど、友達とのお別れもあったし、病気にもなった。常に疑心暗鬼で、この人はあたしと仲良くしたいのではなくて、あたしを利用しようとしてるだけなんじゃないかしらん。って思ってた。誰かと関わるのが気が重かった。仕事も辞めて、ダレともメールも電話もしないし、ランチも行かなくなった。でも、不自由はなかった。友達なんていなくたって、普通に暮らせる。誰かと関わるから、傷つくこともあるし凹むこともある。今まではあたしは、あたしは悪くないって思い込もうとしてた。あたしが発する発言も行動も日記に書くことも誰かを傷つけたり不快な思いをさせてるって考えなかった。だから、思ったことをそのまま書いた。自分を正当化したいから相手の悪いところを探すことに一生懸命になってた時もあった。だから、自分のことをネットで書かれてるのを見た時に、ショックで過呼吸で動けなくなった。苦しい呼吸の中であたしの頭の中に浮かんだのは自業自得・・・でも、その時は、まだ自分に矢印を向けることができなかった。その後も前世治療に通ったりしたけど心はすっきりしなかった。でも、そんなあたしが自分のことを素直に反省しようと思えたのは、ちょんちゃんのおかげだった。ここ楽天ブログで知り合った彼女は常に前向きで、楽しい人。あたしは久しぶりに、人と関わりたいって自分から思った。ちょんちゃんと仲良くしたいって心から思った。両親のことや幼い時のトラウマ、人間関係で悩んでるあたしの悲しみを日記で読んで知っていたちょんちゃんは、2月に会った時にこう言ってくれた。「秋桜さんの悲しみや苦しみを理解してあげなくてごめんね。」あたしは、その時にあたしはちょんちゃんよりお姉さんなのに、病気と一生懸命闘ってるちょんちゃんにそんな心配をさせてしまっていたことを申し訳ないと思った。「いつもいつも自分のことを後回しにして人の事を考えてあげてるけど、自分のことを自分の気持ちを大事にしてね。」あーちょんちゃん、あたしはちょんちゃんが思ってるような優しい人間ではないのよ。自分のことしか考えてないから自分の気持ちを優先して考えちゃうから、誰かのためにって思うのはすごい自分の中で頑張ってのことだからストレスがたまったり凹んでしまうのよ。ちょんちゃんみたいにきれいな気持ちではないのよ。「思ってた通りの可愛い人だ・・・」ちょんちゃんはあたしの手を握ってこう言ってくれた。あたしもまったく同じことを思ったのだけど、私は泣くのをこらえるのに一生懸命で何も言えなかった。ただただ ちょんちゃんの手を握って目をみて「ありがとう。」って言うのが精一杯だった。ちょんちゃんがお星様になってからある日の朝、山の中をウォーキングしてて、あたしはちょんちゃんに話しかけてみた。「ねぇちょんちゃん。あたしね。仲直りしたい人がいるんだよ。人とお別れするのはしょうがないと思ってたけど、お別れはとっても悲しいことだね。今まで自分に無理をしちゃいけないかなぁって思ったけど、ちょんちゃんが言ってくれた通り、自分を大事に 自分の気持ちを大事にしようと思うんだ。相手が拒絶するのはしょうがないけど、あたしが自分から縁を切ってはいけないね。たとえその人と関わることで、あたしがまた、傷つくことがあるかもしれない。つらい思いをすることがあるかもしれない。でも、お別れするつらさに比べたらそんなことは、たいしたことではないね。」すぅーっと風が吹いて、芽吹こうとしてる細い枝をさやさやと揺らした。うんうん。って返事をするように、木の上の方できつつきがコツコツコツと幹をたたいてた。今日、桜が散っていくのを見ながら、ウォーキングをして感じたこと、ちょんちゃんのこと、Liverpoolの桜のこと、色んなことを考えた。