黒部五郎~三俣蓮華~黒部源流~水晶岳~雲の平【6】
意外に思われるかも知れませんが・・・何回も通った事がある山ならOKなんですが(八ヶ岳や穂高連峰)初めての登山道はメチャクチャ怖くて山を楽しむなんて余裕は全く生まれない私なのですが・・・これが同行者が居ると楽しいっていう・・・(笑)そう、単独が苦手なんですね~。今回はkoukiと2人。自己責任だけでなくkoukiの行動全ての責任は私にあるのでずっと緊張しっ放しの私でしたが・・・この薬師小屋迄の下りは小屋のお姉さんの相当悪路だという言葉と前もって調べた中にもそういう記述があったのでドキドキものでした。日本最後の秘境雲の平を楽しむ余裕も無く降り続ける雪に不安を抱きながら下山します。2組のパーテイーとすれ違うが口々に出る言葉は「キツカッタ~」此処はコースタイムだと3,1Hだが・・・下りという事もあり自分の山行計画書には2Hと設定してある。ちょっと無謀だったかな・・・なんて思いながら下って行くと、こんな楽しい場所に出会う。一般登山道の中ではキツイかも知れないが・・・沢で藪漕ぎやらで鍛えられた成果なのか?(笑)滑る事も転ぶ事も無く予定通り9時には薬師小屋に到着した。ホ~っと一安心。黒部川のエメラルドグリーンが美しかった!!!興奮して写真を撮りまくったが・・・全てボケてしまっていた。何故だ?悲しい・・・小屋のお兄さんが 自分もkouki位の時に家族と此処に来て黒部の魅力にトリツカレタんだと話してくれた。うん、うん、わかるよ。私もこの長い縦走の中で此処が1番好き。先日来たばっかりなのに・・・妙に懐かしさを覚えてしまう。びょーきですな。笑 此処を下ると赤木沢への道に繋がる。沢登りしたい。黒部を遡行したい!!!そっち歩きたい~~!!笑小屋の横のボードの文字に釘付けになる私・・・小屋のお兄さんに転落事故の詳細を聞いた。私が一昨日稜線で聞いた声はこの事故の声だったんだと初めて知った。高天原から下って来たおじさんが山には霊がウヨウヨしてるんだと真剣な顔で話す。私が黒部五郎のカールで見たのは夢じゃなかったのか?超~ブルーになった。結局40分も話し込んでしまった。ヤバイヤバイ!太郎平小屋を目指します。コースタイムは2.45Hを1.5Hで登る。雨の降りが激しくなり・・・さすがにくたびれた。koukiも辛そうだったので殆どの荷物を私のザックに移した。お昼はカレーの予定だったが・・・作る気力が湧かず小屋で美味しいうどんを頂いた。最後位いいだろう・・・だってこれから、あの、神岡新道を下るのだから。小屋の女性がこの雨の中あそこを下るのか?と驚いていた。友人があそこを登り切れずに避難小屋に泊まったと話してくれた。そういう人、多いんだな~って不安になった。お昼近くになると緊急避難してくる登山者で小屋は溢れ返った。彼等は今夜はこの小屋に泊まるそうだ。いいな、羨ましいけど・・・そうしたいけど・・・時間は充分ある。そんな中濡れてビショビショになった雨具に登山靴を身に着け小屋を後にした。 此処からが地獄でした。なだらかな登りなのだが足が重く一歩が辛くてしょうがない。目が霞んで来てフラフラする。シャリバテみたいな感覚。おかしいな・・・おうどん食べたばっかりなのに・・・不安で一杯になる。koukiも私の様子がおかしいのに気付く。原因は小屋で服用した歯の薬だった。そういえば眠くなる成分が入っていたのだ。アホな私・・・もう、ここは折れそうになる気力を振り絞るしかない。神岡新道は登ってきた時よりも荒れていた。田んぼの様な泥道にはまると足が抜けない。水が流れて川や池の状態になっていて沢チックで大変だけど折立の登山道よりは面白かった。笑お互いに励ましあいPに着いた時は安堵の涙が溢れた。辛かったけど・・・こんなに充実した3日間を過ごせた事に感謝してます。次回は3泊4日にTRYだ!笑