カテゴリ:雑。
普段、私はあまりプロ野球のテレビ放送を観ない。
けれど、高校野球を観るのはだいすきだ。 小学生だったときは、かぼちゃワインやあさりちゃんなどの、夏休み子どもアニメ大会がつぶれるので、高校野球は嫌いだった。 中学にあがったときくらいから、高校野球の魅力に気づき始めた。 「一度しかない」 という、甲子園の「ドラマ」が見たいクチである。 だから、春よりは、夏の方が興奮する。 負けたチームが、試合終了時の礼で涙にむせているときや、甲子園の土を集めているときなど、私も一緒に泣いてしまう。 純粋な野球ファンから見たら、不届きかも知れない。 私は、自分がそのとき住んでいる都道府県と、郷里からの出場校くらいしか、ひいきの学校がない。 それ以外は大抵、「負けている方」を応援してしまうクセがある。 「逆転」というドラマが見たいからだ。 中でも、九回裏ツーアウト満塁、ヒットかホームランで逆転というシチュエーションの時が一番応援に力が入る。 守備側(リードしている方)は、あとワンナウトで勝ちだ。 攻撃側は、ここでヒットやホームランを打てば逆転勝ちできる。 この、最後の最後に起こる奇跡を見たいと思うのだ。 そして、試合が終わるまでのハラハラ感もたまらない。 今日、日大三高とPL学園の試合を見た。 2回表だっただろうか、ピッチャー返しで、打者の打った球がピッチャーの右ももにぶち当たった。 手でかばっていたとは言え、とても痛そうであり、まだ2回表でのアクシデントに、早くもハラハラし始めた(←イヤな奴)。 ピッチャー交代かな?大丈夫かな? そしてPLが先制点を取るも、日大三高に、ホームランで逆転されてしまう。 ドラマだ! またPLが逆転し直したら! と思い、PLを応援することにした。 8回裏にヒットでPLが2点差にまで追いついた。 「ををををを!!」 私はさらなるドラマを期待した。 9回表に、PLはさらに1点引き離された。 しかし9回裏ワンナウトで、走者1・2塁。 ここでヒットを打てば、1点か2点入る可能性はある。 ホームランなら同点だ。 しかし、アウトを取られてしまった。 そして、ツーアウト、走者1・2塁。 打者がホームランを打てば同点。 私の頭にはもうホームランしかない。 ホームラン、ホームラン・・・。 カキーン 「打った!」 と思った。 しかしフライだった。 「ああー」と半ば諦めながら、「でも落とすかも知れない」と思った。 けれど、ちゃんと捕球されてしまった。 PL敗退・・・。 そしてがっくり肩を落としながら、礼に向かおうとする選手が映された後、 アルプススタンドのPL学園生で、応援している男の子が大粒の涙を流しているところが画面に映された。 私は、それにノックアウトされた。 私ももらい泣き。 整列し、礼をする選手。 泣いている選手が何人かいる。 今は泣いていない選手も、退場すればきっと泣くのだろう・・・。 旅館でのゆうげのとき、監督からのねぎらいのことばで泣くのだろう・・・。 話はそれるが、高校野球で泣く、球児たちの涙はとても美しいと思う。 一生懸命だったから泣くのだと思う。 負けたとき、「悔いはありません」というのを私は一種の社交辞令のように聞いてしまう。 一生懸命なら一生懸命だっただけ、負けたときはきっと悔しい(そうではない人もいるだろうけど)。 私はそうである。 部活動で全国大会に出場が決まったときもうれし泣きしたが、 全国大会で金メダルが取れなかったときはもっと泣いた。 一生懸命やったから、負けると悔しい。 けれど一生懸命やらないで負けたときよりは、すがすがしいとは思う。 泣いた後は諦めがつきやすい。 一生懸命やらないで負けたときは、悔しいという気持ちより、もっと頑張っておけばよかったという後悔を味わうから引きずる。 泣いている選手を見ながら、よく頑張ったねえ・・・と鼻水をすすった。 ふと我に返ると、パートナーと一緒に観ていたことを思い出した。 途端に気恥ずかしくなる。 タオルで涙をこっそりぬぐって、ちらりとパートナーの方を見た。 パートナーの目も、赤かった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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