拡張モードとADOモード(エクセル2003)
IT工務店 店主のつぶやき日記より転記させて頂いております。
最近、この件の問い合わせが続いたので、ちょっとメモして置きます。
エクセルで入力作業をしている時、突然、マウスでセルをクリックすると、セルの範囲が広がる(セルの範囲が青くなる)ばかりで、他のキーなどが使えなくなった。すわ、故障か!?。と言うお問い合わせが相次ぎました。
どれも、答えはエクセルが「拡張モード」になっている状態でした。
「拡張モード」とは、あるセルを選択した状態で「F8」を押下すると、そのセルからその後マウスのクリックで選択したセルまでの範囲を選択された状態にするものです。あるセルの範囲にデータを入力したり、セルの範囲に対する操作をしたい時に使います。マウスでなく矢印キーで選択範囲を変更できるのでマウスをドラッグして選択するのより便利な場合があります。また「拡張モード」状態にしておくと、マウスドラッグのように目的の範囲外をクリックした時に選択範囲が解除されてしまうようなことがないのも結構便利ですね。
ユーザさんが意識せずに何かの拍子に「F8」を押下してしまうと、「拡張モード」になってしまいます。普段あまり使わない機能ですし、入門書などにはあまり書かれていない機能ですから、初心者のユーザさんなら故障?と思っても無理がないかも知れませんね。
エクセル2003では、「拡張モード」になった時は、ステータスバーに「拡張」と表示されているはずです(画面の右下)。
これを解除するには、もう一度「F8]を押下するかESCキーを押下します。その後、どこかのセルを選択(矢印キーなどでも同じ)すると選択範囲が解除されます。
似たようなことで、「Shift+F8」と押下すると「ADOモード」になります(ステータスバーに「ADO」と表示されます)。これは、「拡張モード」が連続したセルの範囲を選択するのに対し、「ADOモード」はとびとびのセルの範囲を複数選択する場合に使います(Ctrlキーを押下しながらセルを選択しているのと同様)。
「ADOモード」の解除も、もういちど「Shift+F8」を押下するか、ESCキーを押下し選択中のセル以外のセルを選択すると解除されます。
Shiftキーが伴うので、無意識に「ADOモード」にしてしまうトラブルはあまりないようですが、なってしまうと、ESCキーに気がつかなければ、解除もShiftキーを伴うので、ますますユーザさんを困惑させることになるようです。
なお、エクセル2007では、「拡張モード」は「選択範囲の拡張」、「ADOモード」は「選択範囲に追加」となって、ステータスバーの左下に表示されます。
ENTERを押しながらF8を押すと直る場合があります。