亡くなった伯父の49日の法要の為、高岡へ行ったルーち夫婦のドタバタ日記・その5
その1.夫婦道中膝栗毛・旅立ち
その2.夫婦道中膝栗毛・一の宿
その3.夫婦道中膝栗毛・足を引っぱるもの
その4.夫婦道中膝栗毛・居れども使うか？

昼食の買い出しついでにルーち達も靴屋へ連れて行ってもらう事と相成ったのだが…
なにしろ。
それまで高速バスの停留所にあった何でもスーパーは消え失せ、
尚かつ、現在の富山の土地勘を持っていた方は既に故人となっておられる。

最新iPhoneのグーグルマップも何ほどの役にか立たん…
あの店に連絡をすれど、置いていない。
この店に靴が見えて寄ってみても、カジュアル靴のみ。
車中には東京から高速バスor 飛行機でやってきた4人の精神的疲労が蔓延し始めた…

そこに救いの何とやら。

『AOKI』…この看板がこんなに頼もしく有難く思えたのは
4人それぞれ、生きてきた年数は違えど同じ思いだったと思われる。
日本アルプス雪山遭難中に山小屋の灯り！ってなもんだ～　(ノ▽T)ノ
しかも14000円くらいは覚悟していたのが1万円そこそこでダンさんの足にあった靴があり、
もう、これはこれからAOKI様には足を向けては眠れないかと…
帰ってきて楽天で検索をかけるまで、ルーちは思い続けたのであった。

ホクホクしながら帰って、バーガーの昼食を囲んだ時の事である。
(それにしても昨日の刺身といい、バーガー・ナゲットといい
　　思いっきり肉食だねぇ…これはもう、精進落としは要らんのではないかいな？)
クリスチャンのルーちが思うのも何であるが、
まあ法要なんてものは生きている者の為にあるようなものだし、
ここの生きている者の大部分は無宗教…それもまたむべなるかなっと。　A；^－^)

おっと脱線。
…先ほどより怪訝な表情を浮かべていたAちゃんが意を決したように口を切った。
「おばさん…アタシね、おばさんと会ってると思う。子供の頃。」
ついにおばさんが固定化してしまったとがっくり…いや、びっくりのルーち。
「なんかね…海水浴場…」
ルーちはハタと膝を打った。
「ああ～！？もしかして四方にスダレのある…？」
「そうそうそうそうっ！スダレっ！」
人差し指をブンブン振って、ぼでぃらんげーじ全開のAちゃん。
…ふむ、流れる血は争えぬもの。(笑)
「じゃあ、あれって現実だったんだ。私、その場面、何回も繰り返し夢に見てるんで、
夢だとばっかり思っていたんだよね。」
…普通は反対ではないですかね～、ルーちさん。
という事は、抱っこしていたのは…長男のB君け！

ええと～、一体私の歳はいくつでこの子達がいくつなんだ…と、
ルーちの頭がまたぐらぐらしてきたその折も折。
「ちょっと気持ち悪い…ぐらぐらする…吐き気も…」
小声で告げてきたダンさんの顔を振り返れば青黒。
…ついにハプニングは冗談の仮面を脱ぎ捨て、そのキバを剥いたのであった。

そりゃそうだ～
あれだけ壊れた靴で濡れた道路に繰り返し降り立って、
じっくり7時間かけて足から冷やし込んだ挙げ句、徹夜で…
「マズイ！まずいよ！ダンさん、寝ていて！」
持ってきた荷物をひっくり返して風邪薬と解熱薬を飲ませて寝かせる。
足が整ったら今度は頭。
プリーズ、発作よ、お前は鎮まっていておくれ～
法事まであと二時間！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　…つづく

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