亡くなった伯父の49日の法要の為、高岡へ行ったルーち夫婦のドタバタ日記・その9
その1.夫婦道中膝栗毛・旅立ち
その2.夫婦道中膝栗毛・一の宿
その3.夫婦道中膝栗毛・足を引っぱるもの
その4.夫婦道中膝栗毛・居れども使うか？
その5.夫婦道中膝栗毛・足が見つかりゃ頭が…
その6.夫婦道中膝栗毛・寝込みを襲われる！？
その7.夫婦道中膝栗毛・ご先祖、怒る？
その8.夫婦道中膝栗毛・一人消え、二人消え…

ダンさんを皮切りに一人、また一人と具合が悪くなって消えていく精進落としも
やっとお開き。
このまま行けば十代目になる長男のB君が立派に締める。

ぞろぞろと靴を履き、バスに向かう一行。
ルーちの目に止まったのはまたも男性靴裏の崩壊くず…
点々と先に行く人々の行く手に続いている。
おいおいおいおい、ダンさんの亡霊でも来ているのか？
それともダンさんの他にも靴に祟られている御仁がいる？
…と・こ・ろ・が。
誰の靴の裏を調べても壊れてないのデスっ！　 （^－^ ；A

仲居さん曰く、泥かと思ってみんなが入った後に片づけたのに、また…
という事は前にここを使った人の靴の残骸じゃない。
この部屋にルーち達と入った誰かの靴が崩壊している訳だけど、誰の靴も崩壊してない。
崩壊した靴で出入りしたその人は誰っ！？　(笑)

本家に帰り着くと正体不明の靴の履き主の事はすっからかんとルーちの頭から消え去った。
ダンさんの額がまだカッカと熱いのだ。
ちょうどAちゃんが薬屋に行く用があるというので、また乗せていってもらう事に。
解熱剤と体温計購入。
まだ頭が朦朧としているのか、スイッチをOFFのまま測って一度目は体温無し。(笑)
38.2度…ふむふむ、下がりかけてはいるぞ。
「ダンさん、お料理を折り詰めにしてもらってきたけど食べられる？」
「無理無理無理…」
「それじゃあ、水分補給だけはしてね。脱水起こすから。はい、お茶。」

居間では折しもB君がおねえちゃんに言っているところ。
「まるで祟られてるみたいにみんな具合悪くなって…。
おまけに親戚筋の○○さんの所まで車に突っ込まれて…」
さっきルーちと話していた○○さん、この日、納屋に車が突っ込んできたらしい。

…まあ、誰かもの申したいご先祖がいるとしてもそれは伯父さんじゃあないわな。
誰かを叱りつけたいとしても可愛い可愛い孫達の具合を悪くするなんて
親しい親戚に車を突っ込ますなんてやり口が違う。
そういう人柄じゃあないもの。
ルーちは祟りだとは思っていない。
人間、生きていようが死んでいようがそんな力がありゃあ苦労はしないと思っている。
子孫の具合を悪くする力があるなら、はっきりすっきり出てきて物を言えばいいのだから。

疲れ果てているAちゃんは、お風呂に入ろうとする。
「お母さん、あたしお風呂にはいるね。」
ところが待てど暮らせどシャワーがお湯にならない。
寒そうに出てきたAちゃんにお姉ちゃんが言う。
「ああ、それな～、お風呂直すんで、ボイラーの石油抜いといたん。」
「…それって。入る前に言って欲しかった。」
むべなるかな、むべなるかな…
おねえちゃん、ちと天然。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　…つづく

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