[旅] ブログ村キーワード 亡くなった伯父の49日の法要の為、高岡へ行ったルーち夫婦のドタバタ日記・その10
その1.夫婦道中膝栗毛・旅立ち
その2.夫婦道中膝栗毛・一の宿
その3.夫婦道中膝栗毛・足を引っぱるもの
その4.夫婦道中膝栗毛・居れども使うか?
その5.夫婦道中膝栗毛・足が見つかりゃ頭が…
その6.夫婦道中膝栗毛・寝込みを襲われる!?
その7.夫婦道中膝栗毛・ご先祖、怒る?
その8.夫婦道中膝栗毛・一人消え、二人消え…
その9.夫婦道中膝栗毛・祟りと人は言う
さて、B君のお嫁さんのbちゃんはちまちまっとした可愛い子。
初対面という事もあってそれまであまり話すいとまも無かったのだが、
疲れ切ったみんなが応接室でごろごろしている時、
やはりダンさんの眠りを妨げたくなくて居間に来ていたルーちと話し始めた。
お嫁さんが他人(この中では身内でも端っこですから)に話す事といったら
そりゃあ古今東西、旦那の愚痴が相場。(笑)
それでも会ったその日に話してくれるとは随分と信頼されたもの。
ああ、これは聞いた話…というか、ととさんから自分に流れる血の話だわい…
とルーちは思った。
B君はどうやら伯父さん・おにいちゃんより、ルーち系列の性格らしかった。
理想高く、完璧を求め、妥協がきかず、しかし現実を着実に掴む力が足りない…
潔癖で、かといってその生き方を社会で貫く手腕がなく、人との折衝が極度にヘタ。
階段を一段ずつ登る…その気が持てない。
イカロスのように飛んでは墜ちてを繰り返す…
伯父さん系列のAちゃん、C君からは「生き方がヘタ」と言われているらしい。
この二つの系列、とんでもない共通項がある。
一般の人と比べてプライドが多分めちゃ高く設定されているという事だ。
現実を掴む力が弱いのにこのプライドはアトラスのかかえる地球のように重い。
多分おにいちゃん達には分からない重さだ。
そして自分の心の求めと現実になしうる事との差に呻き苦しんで動きがつかなくなる…
回避しようとすればととさんのように他人に迷惑をかけずには生きていけなくなる。
くそっ高いプライドを抱えながら自分の弱さと向きあい続けなければならない。
そしてくそっ高いプライドゆえに、人の言がなかなか耳に入れられない…
でもね、悪い事ばかりじゃないんだよ…
そんな人生を48年生きてきてまだあがいているルーちは思う。
そういう自分でなければできない事だって、あるはずなんだ。
B君は…伯母さんの49日に会った時からルーちは思っていたのだが、優しい。
Aちゃん、C君とはまた違った優しさ。
優しさに硬軟があるとすれば、Aちゃん、C君は硬質、B君はやわらかな優しさの持ち主。
神経細く、傷つきやすく、臆病で。
だからこそ持てるそのやさしさ。
B君、きっとあなたが生きられる場所がある。
いや、あなただから生きられる場所がある。
今の時代ではとても生きにくい私達だけれど、頑張ろう、一つずつ…
ルーちは思った。
そしてbちゃんに言った。
「自分を変えようなんて思わない方がいいよ、B君は。自分以外にはなれないモン。
アタシもやってみたからさ、さんざん。
弱い自分をずりずりひきずりながら生きていく内に、いつか変わっていってる…
そういうもんだと思う。」
えー、そういうもんですか~?と言ったbちゃん。
若いとね。変えられる、変えなくちゃって思えるのよね。
でも、弱い自分と向き合う事無しにその自分は変わらない…それは確かだと思うんだよ。
ともかくも。
この家系の配偶者は大変である事よ。 …つづく
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