【楽天ブックス】冗長性から見た情報技術 [ 青木直史 ]
横浜市立図書館都筑図書館で借りて読んでいます。
ITは難しくて・・・という方に、ちょっと解説をば。
mp3という音楽ファイル形式をご存じですか。
そう、携帯音楽プレーヤーに入れるファイルです。
実は、このmp3や音楽CDに入っている曲は、
元々の音源をかなり圧縮しているのです。
圧縮しないと、CD1枚に1曲入らない、なんてことになってしまうから。
この情報圧縮という技術、デジカメ写真にも使われていて、
みなさんよくご存じの形式はJPEGかしら。
この技術があるから、デジカメの小さなメモリーや
パソコンでもファイルが簡単に扱えるというわけ。
写真や音楽データを圧縮するということは、
元データを構成している要素を間引きすること。
人間の感覚では知覚できない極端な部分だけ切り取るから
たいていの人には、元データも圧縮データも区別できない。
反対に冗長性というのは、わざと無駄な部分をつけ加える技術。
「冗長な」という表現は、ふつうあまりいい印象を持たないけど、
IT分野ではこれもかなり大事。
わかりやすい例はインターネット。
今このブログを読んでいる方は、
パソコンや携帯端末とプロバイダのサーバーとで
情報をキャッチボールしながらサイトを見ているのです。
そのやりとりにはほんの少し時間がかかる。
サーバーにアクセスする人が多くなると、
回線が混んでしまってさらに時間がかかる。
だから、冗長性という技術を用いてわざと遠回りさせ、
回線に負荷がかかりすぎないようにするのです。
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情報圧縮も冗長性も、必要な要素がどれとどれなのか、
省いてしまってよい要素はどれか、という判断が求められる。
その判断を間違えると、元の情報を再現できなくなってしまったり、
通信回線がパンクしてしまうということになってしまう。
社会の閉塞感も似ているような気がする。
人や時間、お金の使い方をぎりぎりまで切り詰めてしまい、
その結果、あらゆるものが行き場を失っている。
生き方や働き方はいろいろあっていい。
混雑を避けて冗長な道のりをあえて選ぶのもいい。
情報圧縮のように、きっちりと詰めこんでしまったものを省き、
身軽になるのもいい。
ITは、こんなふうに人生についても教えてくれる
結構面白いヤツです。
毛嫌いせずに、お付き合い下さいね。
(最近買ったWindows8マシンでバーチャルXPを動かすの図)
※詳しくは「LUKEのパソコン三昧」をご覧ください。