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テーマ:オール台湾!(1573)
カテゴリ:食べ物
私が台湾へと嫁いできた頃、まだまだここではコーヒーは
邪道なものとして存在していた。(笑) 喫茶店というものがボチボチ市民に浸透しつつあったが、 ごく一部の新しもの好きな人たちの飲み物という感覚であった。 ご多分に漏れず、夫の実家でももちろん市民権はなく、 コーヒー(インスタントを含む)など存在するわけもなかった。 当時、夫の実家で同居生活をしていたのだが、 無類のコーヒー好きの私にとって これはかなり厳しい環境であったのだ。(苦笑) しばらくは我慢もしていたのだが、やはり我慢も限界。 夫に頼み込み(夫は『コーヒーは悪』の信者である。笑)、 スーパーでおいしくない産地がどこかもよくわからない インスタントコーヒーを買ってもらい、何とかしのいでいた。 が、間の悪いことにこの頃に妊娠が発覚。 台湾では妊婦がコーヒーを飲むことなど言語道断。 普通の人が飲んでも体に悪いと思われている上に、 妊婦が飲むと肌の色が黒い子供が生まれるという 何の根拠もない噂がまかり通っているのだ。 こうなれば私がコーヒーを口にする機会などあるはずもなし。 産地不明のインスタントコーヒーさえも姿を消した。(苦笑) しかし、やはりそう簡単にコーヒー絶ちができるはずもない。 そうなればこっそり外で飲む以外に方法はない。 が、妊婦が喫茶店でコーヒーを頼めば 周りから白い目で見られること間違いなし。 となれば、この当時で考えられる精一杯の方法が コンビニで缶コーヒーを買って飲むことであった。 それからは時々コンビニへ通い、缶コーヒーを買って 近所の公園でこっそりと飲む妊婦生活を続けたのであった。 そして選ばれし我が救いの缶コーヒーが『MR.BROWN』 であった。 もちろん缶コーヒーであるから私が本当に飲みたいブラックコーヒー、 しかも濃いぃのには程遠い味で、 甘ったるくてほとんどコーヒーの味などしないのだが、 コーヒー中毒にもなるとこんなのでも とりあえずは満足できたのであった。(苦笑) その後同居生活を解消し、独立してからは思う存分 好きなだけコーヒーを飲む生活が始まったので この『MR.BROWN』には久しくお目にかかっていなかったのだが、 最近頂き物として我が家へやってきた。 そこで今朝は台湾式三明治(サンドイッチ)と一緒に、 甘ったるい味と懐かしい思い出に浸りながら 朝のひと時を過ごした。 そして今はスタバもあるし、マックカフェもあるし、 どこででもすぐにコーヒーが飲むことができる、 ありがたい環境になったものだとしみじみ思ったのであった。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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