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カテゴリ:本の世界
―そんなひっこみ思案だった私に、読書の楽しさを教えてくれたのは、祖母でした。 読みたいと思ったときにいつでも好きな本が選べるよう、本棚いっぱいに子供の本をそろえておいてくれたのです。 子供にとって、この本を読みなさい、と大人からわたされる一冊は窮屈でしかありません。 数ある中から、この本がおもしろそう、あの本は絵がきれい、と出したり入れたりするのがまた楽しいのです。 そうしていくうちに、むずかしくてつまらないと思っていた本がふとしたきっかけで読めるようになる。 自分の力で未知の扉を開ける喜びです。 ―幸田 文作 青木 奈緒編 『台所のおと みそっかす』岩波書店2003年より抜粋
青木奈緒氏は、作家幸田文のお孫さんです。すなわち、幸田露伴のひ孫さんです。その彼女が、祖母の作品を選んでまとめたのが、この一冊です。 引用の文は、後書きの「記憶の中の幸田文」からです。 「自分の力で未知の扉を開ける喜び」これは、読書のみならず、学問でも、遊びでも、生活でも、分野を問わずたいせつな力の源だと思います。 今は、過剰な情報の取捨選択に追われてしまい、なかなかこの力が育ちにくいように思います。 各家庭で、書棚を整えることはむずかしい部分もあると思いますので、せめて、子どもたちが多くの時間を過ごす学校で、図書館が充実するといいなと思っています。 本を読むという時間を過ごすことで、「一人で」、「じっくりと」、自分と向き合う。 とてもぜいたくで、そして、たいせつな時間です。
みなさま、よいお年をお迎えくださいませ。
アイダ ミホコ
写真:友人からの高知旅行土産です。 桂浜の砂と小石と貝殻(リクエストしました)、そして、植物学者牧野富太郎氏を記念した高知県立牧野植物園のミュージアムグッズ「牧野オリジナルウォームマグ」です。 ウォームマグのお初は、ハイビスカスティーを入れていただきました。 背景の『牧野富太郎植物記』は、学校図書館の思い出の本です。 中学時代、初めて、学校図書館で借りた本です。 当時は、田んぼ、あぜ道、野原、山辺などがまだたくさん残っていて、身近な自然の中で、多彩な生物、植物と触れ合って遊んでいました。 そんな時出会ったこの本。 そこには、単なる図鑑的知識だけでなく、文芸作品からの引用、やさしげな手描きイラストなど、随筆風読みものとしてのおもしろさがありました。 私の文章創作の原点です。 地元図書館の書庫で見つけて、久方ぶりに手にとりました。 なつかしさと、新鮮さに、なごみました。 *写真の本:佐竹 義輔監修 中村 浩編『牧野富太郎植物記1 野の花1』、同2、あかね書房1973年 ++++++ アロマテラピー専門誌『aromatopia』(フレグランスジャーナル社刊)最新103号が発売されました。 特集は「最近のアロマ系自然化粧品の美容効果と安全性」です。 連載フォトエッセイ「この街、この香り -お江戸 花暦 香り散歩-」第三回では、落語「王子の狐」や、八代将軍徳川吉宗公ゆかりで有名な北区王子界隈を取り上げました。 大晦日には、王子の装束榎に集う関八州の狐たちの伝承にちなんで、装束稲荷神社から王子稲荷神社まで、狐の行列があります。 季節の花や街の香りを愛で、文芸に親しみながらの散歩の際に、ぜひご一読くださいませ。 ++++++ 『アイダミホコのはじめてのヘンプ フェアトレード素材でつくるかわいいアクセサリー』は、全国の書店、インターネット書店、フェアトレードショップでもお買い求めいただけます。ショップにない場合は、合同出版株式会社へお問い合わせくださいませ。 日本女子大学教育文化振興桜楓会実業部にても、お取り扱いいたいだております。 ☆アイダミホコweb>aroma accessory mikoma アイダミホコ監修によるヘンプ工作キットが合同出版ホームページ内エコショップ「みみずのカーロ」で、また、ヘンプフラワーヘアピンキットが、ピープルツリー自由が丘店にて発売中です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.12.30 08:11:17
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